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本好きの下剋上 第二部_神殿の巫女見習い 香月 美夜/椎名 優/鈴華(オリジナル資料あり)

この記事では、本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~の第二部について、巻ごとに紹介しています。

本好きの下剋上」は、巨大創作サイト「小説家になろう」で連載、完結済の作品です。

第二部はだいたい第78話~172話にあたります。(リンククリックでWeb版のページへ)

本作品の概要については別記事で紹介しています。まずそちらをお読みください。

castleslove.hatenablog.com


第一部・第三部・第四部・第五部1~6はこちら(コミカライズ版含む) ↓


第一部

第一部各巻のあらすじと感想

第三部

第三部各巻のあらすじと感想

第四部

第四部1~5巻のあらすじと感想

第四部6~9巻のあらすじと感想

第五部

第五部1~3巻のあらすじと感想

第五部4~6巻のあらすじと感想


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  • 一部ネタバレあり。
  • あらすじは筆者が作成したものです。
  • 感想はあくまで筆者の個人的な印象に基づいています。
  • イラストは筆者が作成したものです。



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第二部のあらすじ 平民編 神殿の巫女見習い兼工房長 → 兼孤児院長 → 貴族へ


第一部は、麗乃マインが転生後の世界、エーレンフェスト下町と新しい家族への帰属意識を自覚し、この世界でマインとして生きることを決心したところで終わりました。

前世で本 ⋙家族の人生を送った後悔から、今世では家族を第一に生きる覚悟を決めています。

マインは身分を振りかざす神殿長を威圧して強引に神殿に入り、青色巫女見習いになることに。

神殿に入れば、図書室で本も読める上、神具に魔力を奉納するので魔力が体内に溜まって死ぬことはなくなったはずですが、決してバラ色ではなく…


第二部からは、これまでとまったく違う世界になります。

第一部は比較的「普通の」転生ファンタジーでしたが、第二部からは香月先生が緻密に設定した異世界、ユルゲンシュミットの情報がどんどん出てきます。

そして第二部は第三部以降の、もっと言えばさらに複雑にさらに面白くなる第四部以降の重要な伏線となっています。

伏線が大量にあることが本好きの面白さ。最後まで読んでも絶対戻って読み直すことになると思いますよ。

第二部 神殿の巫女見習いⅠ(1)(通算第4巻)



表紙・挿絵・口絵は椎名 優さん。ルッツかわいい。マインはいかにも平民という感じですね。

オーディオブックもあります。Audibleの会員登録 をすれば聴き放題!

[4巻] 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い1」


※Audibleについてはこちらで紹介しています。

castleslove.hatenablog.com



この巻では、マインが平民としての常識を改めて神殿での常識を尊重するようになり、孤児院の改革を行います。



あらすじ


青色巫女見習いとなったマインだが、神殿長とは距離を置き、神官長が彼女の監督をするようになった。

それでも神殿や貴族の常識、そもそもこの世界の常識を知らないため、様々なトラブルを起こすマイン。

付けられた側仕えはみんな反抗的で、思うようにならないマインは苛立ち、好き勝手に振る舞う。

しかしルッツに「神殿になじむための歩み寄りが足りない」と指摘され、改心してフランに教えを乞うようになる。

料理改革を行い、側仕えたちとも何とかやっていけるようになったころ、孤児院の実情を知って衝撃を受ける。

「このままでは落ち着いて本を読めない!」
悩んだ結果、周囲と神官長に相談して孤児院長を引き受けることにするマイン。

目標は、青色神官に振り回されず、全員が人間として生きられるようにすること。

彼女の奮闘で、孤児院は自分達で採集したり工房でお金を稼いだりすることで、飢えずに暖かく過ごせる場所となった。



書き下ろしSSなど


()内は大まかな内容。「Web版」と書かれていないものは書籍化にあたっての書き下ろしです。

  • プロローグ:神官長フェルディナンド視点
    (神殿長とのやり取り。マインはしっかり見張らねば)Web版第78話を三人称で改稿
  • エピローグ:ディード視点
    (ルッツと商業ギルドへ。なんでマインが神殿に?)
  • 短編1:「今はまだ遠い場所」
    トゥーリ視点(服装の勉強のため北へ行く。マインには負けないよ)
  • 短編2:「側仕えの自覚」
    ギル視点(側仕えとしての生活。マイン様の役に立ちたい)


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感想(ネタバレあり)


プロローグでいきなり、第一部Ⅲとは違う黒い神官長を垣間見ます。これで20歳なんだ…

第二部から、マインには側仕えがつくことに。

フラン尊い! そしてギル可愛い…は置いといて、周囲に気持ちよく動いてもらうために自分の言動を変えるなど奮闘するマインが見られます。偉い。

このころからマインの「人を育てる才能」が開花するわけなんですよね。

そして第二部の最初の山場、孤児院。

ご飯が与えられない、環境が不潔、というくらいなら昔の日本やヨーロッパでもあった。

でもここには灰色巫女が産んだ青色神官の子供がたくさんいる、という驚愕の事実。

自分の子供を孤児院に入れてしまうということになじめないマイン。

子供ができること自体が青色神官にとっては恥なんですが(魔力が釣り合わないと子供はできない)、まだそういう感覚はわからない。

こういった暗部を淡々と描く香月先生に脱帽です。


マインは一刻も早い解決を!と神官長に感情的に訴えかけますが、不発に終わり落ち込みます(この時の神官長視点がコミックス第二部2に)。

しかしルッツはマインの感情をふわりと受け止めて冷静に誘導。さすがルッツ。

ベンノにはガツンと叱られ、フランには貴族への対応方法を指南される。

このころは周囲全員がマイン係だったんだね~しみじみ。

ここで神官長の隠し部屋が初登場。それと反省室イベント!

この辺りから神官長が少し人間らしくなりますね。

自作の見取図をつけておきますね。


資料 神殿・孤児院見取り図


たくさんの方が素晴らしい見取り図を作ってらっしゃいますが、自分でも読むときに便利なので作ってみました。

私は平面図の方がわかりやすいのでこんな感じ…香月先生の作られたものを元にしています。

神殿・孤児院見取り図
神殿・孤児院見取り図



コミカライズ版


コミカライズは第二部1~4の途中までがこの巻に当たります。作画は第一部と同じく鈴華先生。

第二部1巻
神殿の巫女見習い~与えるべきものまで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「マイン工房の扱い」。
・香月先生の書き下ろし短編はザーム視点「フランと平民の青色巫女見習い」。フランは巫女見習いとうまくやっていけるのでしょうか? 

第二部2巻
ギルのお仕事~神官長との密談まで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「新しい主と私」。
・香月先生の書き下ろし短編はフェルディナンド視点「孤児院騒動の裏側」。マインには貴族の言い回しは通じないのだな

第二部3巻
孤児院の大掃除~星祭りまで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「儀式用の衣装の注文」。
・香月先生の書き下ろし短編はリコ視点「タウの実拾い」。マイン様のために頑張ろう!

第二部4巻
ルッツの行く道~贈り物と教養まで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「息子の成長」。
・香月先生の書き下ろし短編はギル視点「家族という存在」。家族ってそんなに気になるものかな?


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第二部 神殿の巫女見習いⅡ(2)(通算第5巻)



前巻の表紙ではではいかにも平民という雰囲気だったマインが、少し巫女らしくなっていますよね。


オーディオブックもありますよ。Audibleで聴けます!

[5巻] 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い2」 香月 美夜 (著), 井口 裕香 (ナレーション), Audible Studios (出版社)


この巻では、マインが工房長として絵本作りを始めるほか、イベントが詰め詰めです。

側仕えを増やし、インクを作り、そして第一部で出てきたトロンベが成長して登場。

いろんな伏線も詰め詰めてんこ盛りの巻ですよ。


「私は勝てない勝負はしない主義だ」



あらすじ


弟か妹ができると知って、絵本を作ろうと張り切るマイン。

絵の上手なヴィルマを確保するために側仕えに取り立てることに。 しかし神官長には、教養を身につけるためにロジーナを薦められる。

その理由は、貴族の中で生きていく際に、自分の立場が保障されるようにするため。
身食いの自分が神殿に入ることは貴族に取り込まれることであると、マインは初めて意識する。

ロジーナの指導のもとフェシュピールをなんとか弾きこなすマイン。読書時間は減らさないけどね!

さて、聖典絵本作りが進むが、文章の整い方で神官長に疑いの目を向けられてしまう。

ユルゲンシュミット一頭の回転が速い神官長が、迂闊な暴走娘の矛盾に気づかないはずがない。

そしてとてもしつこい彼を誤魔化し続けることは不可能であると、マインは知ることになる。

とりあえず聖典絵本が完成! ここから本作りがある程度軌道に乗っていく。


「収穫祭」という行事に出発する青色神官が不穏な一言。なんと図書館が荒らされていた!

マインの怒りMAX! しかしこれを良い機会とマイン十進分類法で図書館の整理を行う。

またしても迂闊な一言が神官長の疑惑を誘う。誰だって変だと思うよね。

しかしここで判明。青色神官は貴族ではない! 政変で貴族の数が減った?

そしてマインは奉納式のため神殿で冬ごもりするよう告げられる。

案の定激怒する父さんに、決意を述べるマイン。偉い。孤児院長だもんね。


そんな中、騎士団の要請という初めての出張で、トロンベ討伐に同行する。

初めて貴族街に入り、魔術具の指輪を借り、騎獣に乗せてもらうマイン。
わぉ! ファンタジー!…と感動していられるうちは良かったが…

このトロンベ討伐は第二部の二つ目の大きな山場で、アニメでも丁寧に描かれていました。

ここでマインは、神官長の別の顔と、貴族の闇部分をさらに知ることになります。

第二部Ⅱの最後はじっくりお読みください。マイン視点でも泣けます。



書き下ろしSSなど


()内は大まかな内容。

「Web版」と書かれていないものは書籍化にあたっての書き下ろしです。

  • プロローグ:エーファ視点
    (赤ちゃんにマイン大興奮)
  • エピローグ:フェルディナンド視点
    (夢の世界を体験)Web版第132~133話を三人称で改稿
  • 短編1:「青色巫女見習いの側仕え」
    ロジーナ視点(マイン様の側仕えになる決意)
  • 短編2:「神殿の料理人見習い」
    エラ視点(フーゴさんには負けない)


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感想(ネタバレあり)


本当にこの巻は大事な情報がてんこ盛りで、何度も読み返しました。

でもこのころのマインは、望みのままに暴走する爆弾娘で、感情と行動が一致しているので読者にはわかりやすいですね。

感情を隠すようになる第五部を読んでからこの巻を読むと、ずいぶんマインも成長したなと感じます。

それでも、このあたりのわかりやすいマインが一番好き、というファンも多いですよね。

私はいつも家事をしながらAudibleで「本好き」を聴いているのですが、読むより聴いた方がこの巻のマインの暴走ぶりと非常識さがよくわかります。


さて、ロジーナもヴィルマも物語の中では結構重要な位置を占める側仕え。

上級貴族の娘クリスティーネの側仕えだったロジーナのおかげで、マインはこのあとの第三部での苦労が少し減ったと言えます。

この巻では、指輪を借りたら祝福を放出してしまったり、傷口から出た血がトロンベを成長させてしまったり、トロンベ討伐であっという間に土地を癒してしまったりと、貴族の視点から見たマインの規格外さが明確になってきます。

普通の異世界ファンタジーだったら、それは主人公すごい!で終わることなのですが、本好きの世界では違います。

平民なのに魔力が多いということはとても危険なことなのです。あ~この複雑さが本好きの面白さ!

伏線出まくりだし…絶対後で何度も読み返しちゃいますよ。

……それとそろそろ、アルノーにイラッと来ませんか?



コミカライズ版


コミカライズ版は第二部4の途中~8の途中までがこの巻に当たります。

第二部4巻
ルッツの行く道~贈り物と教養まで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「息子の成長」。
・香月先生の書き下ろし短編はギル視点「家族という存在」。家族ってそんなに気になるものかな?

第二部5巻
新しい側仕えたち~木版画への挑戦まで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「イタリアンレストランの問題点」。
・香月先生の書き下ろし短編はトゥーリ視点「マインと赤ちゃんのお迎え準備」。このままじゃマインは結婚できないよ

第二部 6巻
疑惑と新しい繋がり~冬支度へ向けてまで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「シンデレラのお話」。
・香月先生の書き下ろし短編はデリア視点「本とカルタ」。一番に読むのはあたしよ!

第二部7巻
冬服を買いに~救済と叱責まで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「頭の中の映像」。
・香月先生の書き下ろし短編はダームエル視点「初めてのトロンベ討伐」。私とシキコーザは別に仲が良いわけではない

第二部8巻
要請からの帰還~カルステッド邸にてまで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「夢の世界の途中」。
・香月先生の書き下ろし短編はヨハン視点「新成人の課題」。逃したら後がない


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第二部 神殿の巫女見習いⅢ(3)(通算第6巻)



オーディオブックもあります。Audible で聴いてね!

[6巻] 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い3」香月 美夜 (著), 井口 裕香 (ナレーション), Audible Studios (出版社)


この巻の表紙では、マインが巫女服ではなく、貴族服を着ています。
アニメにも出てきましたね。とても可愛いです!

祈念式と、迷惑青色神官ジルヴェスターが、この巻のメインですね。

読者はこのころから、「本好きの下剋上」がのんびりファンタジーじゃなくて、結構戦いのシーンが多い物語であることがわかってきます。

あらすじ


神官長に記憶を覗かれてから、マインはかなり気が楽になった。

本づくりの方は順調。次はいよいよ金属活字。

活版印刷への第一歩を踏み出すのだ。

しかしインク協会と契約することになったのに、会長が何やら胡散臭いらしい。

何とルッツがインク協会の人間に絡まれた!

そのため予定より早く神殿に籠もることになるマイン。

ホームシックに苦しむが、神官長とカルステッドとベンノとの話し合いで、自分がいかに危険な立場にいるかを知る。

マインには「ダームエル様」という貴族の護衛騎士がつくことになった。

寂しさに魔力を溢れさせるマインに、神官長は彼女が貴族の養女とならなければならないことと、それまでの期限を言い渡すのだった。


さて、いろいろあった奉納式が終了。靴を買ったりしているうちに、金属活字が完成!興奮のあまり倒れるマイン…

そんな中、周囲は不穏な空気が濃くなり、両親が呼び出されて神官長より滞在の延長と養女の説明。仕方なく頷く両親。

この時の神官長、マジイケメン。怖いけどまだ若いし…


ここまでが前半。

後半は、謎の青色神官と祈念式の話。

マインをいじりたがる精神年齢小学生の青色神官を連れて祈念式へ出発。不安…

騎獣に乗ったり馬車に乗ったりと予定と違う不思議な行程になった上、子供っぽい青色神官ジルヴェスターに疲れさせられるマイン。

怪しいゲルラッハ子爵。

さらに、ライゼガング伯爵家で滞在した際部屋に侵入者が。

不安な気持ちで帰途につくと、帰路では襲撃者が待っていた。



「このようにぎゅーをすれば、少しは落ち着くのだろう?」

神官長がなんか可愛いんですけど!



書き下ろしSSなど


()内は大まかな内容。

「Web版」と書かれていないものは書籍化にあたっての書き下ろしです。

  • プロローグ:カルステッド視点
    (平民の巫女見習いを養女に?)
  • エピローグ:デリア視点
    (神殿長への報告)
  • 短編1:「神殿の昼食時間」
    ダームエル視点(私にも非はあったのか)
  • 短編2:「グーテンベルクの称号」
    ヨハン視点(こんな称号いらない!)Web版第143話の加筆修正版


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感想(ネタバレあり)


口絵のジルヴェスターいい!カルステッドもカッコいい。

表紙のマインと口絵のフェルディナンドは祈念式の小聖杯を、ルッツはお茶のカップ&ソーサ―を持っていて意味深。

今後の立場の違いを暗示しているというか。


さて、いよいよ動きが出てきて、貴族の思惑が見え隠れしてきました。

プロローグはカルステッド視点。トロンベ討伐の時に見たよりも、フェルディナンドとは親しい関係らしい。

何もかも諦めていたフェルディナンドが、身食いの子供を庇護したいから彼に養女とするよう依頼するという…

後になってこのあたりを読むとぐっとくるものがあります。

平民の青色巫女見習いを上級貴族の養女にだなんてとんでもないのですが、

この辺りを読んでいる頃は、まだ香月先生の世界観と階級制度がよく理解できていなかったので、それほど不自然にも思いませんでした。


第二部からは「敵」がしっかりと存在感を示してきます。

神殿長、シキコーザ、インク協会の会長。ゲルラッハ子爵も怪しいし…

それでも前半は、養女の話やホームシックでやや重いものの、金属活字に興奮したり、相変わらずの下町の空気。

マインが周囲への影響など全く考えず、望みをかなえるためだけに突進するのも変わらず。

でもこれからは好き勝手に動けなくなるかもしれない。
なぜなら、実はエーレンフェストはこれまで知っていた下町の平民ではなく、魔力を持つ貴族を中心に回っているらしいから。

売り出す物は慎重に選択しないと、貴族に簡単に潰されてしまう。

これまではその判断をベンノが担ってきたが、これからは?


神殿の儀式も徐々に明らかになります。

祈念式と奉納式はアニメがわかりやすかったですね。このあたりは第29章と第30章(第3期)。

私が好きなのは青色神官を騎獣で踏みつぶそうとする神官長と、「(やりすぎ祝福のことは)きかれるまで黙っておけ」のフェルディナンドに、

マインが「りょうかいです(ひらがなっぽい)」と布団を引っ張るところ。

何とも言えずかわいい💗 

アニメについてはこちら



コミカライズ版


コミカライズは第二部8の途中~第二部10、まだ出版されていませんが、11の最初くらいまでがこの巻に当たります。


第二部8巻
要請からの帰還~カルステッド邸にてまで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「夢の世界の途中」。
・香月先生の書き下ろし短編はヨハン視点「新成人の課題」。逃したら後がない

第二部9巻
騎士団の処分と今後の話~冬の終わりにまで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「新しいスイーツ」
・香月先生の書き下ろし短編はエーファ視点「神殿に来た騎士様」。お貴族様に鳥の餌を食べさせるなんて!

第二部10巻
祈念式~青色神官の贈り物まで。
・鈴華先生描き下ろし番外編は「食後の会合」
・香月先生の書き下ろし短編はロジーナ視点「襲撃と守り」。マイン様は私達を守ってくださった


コミカライズは第二部・三部・四部が同時進行中、まだ完結したのは第一部だけです。

第五部はどうなるのかな…


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第二部 神殿の巫女見習いⅣ(4)(通算第7巻)



表紙は指輪をつけて魔力を放出するマイン。戦う姿勢です。

平民っぽさや幼さがなくなっているような。第二部最終巻、という感じ。

この表紙のマインはイメージというか、本編では巫女服を着ているけれどあえてそうした、と原画展のコメントにあったと思います。

口絵は愛する人たちに祝福を与えるマインです…😢


オーディオブックもあります。Audible で聴いてね!

[7巻] 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い4」 香月 美夜 (著), 井口 裕香 (ナレーション), Audible Studios (出版社)


マインって虚弱なのになぜかいつも戦いのさなかにいるんですよね!

本人が好戦的な性格だからなのかなんなのか。

やる気と魔力は人の十倍あるけど、体力は十分の一くらいしかないのに……

この巻が第二部最後の巻になります。涙なくしては読めません!

あらすじ


プロローグ 神殿長ベーゼヴァンスと他領の貴族ビンデバルト伯爵との話し合い。

ゲルラッハ子爵、シキコーザの母親もいる。

ベーゼヴァンスってそんな幼い時に神殿に入れられたんだ…洗礼式受けてないんだ…

貴族と神官の違いと、ゲルラッハ子爵達の基本的な考え方を垣間見る。

この「マインはちょっと魔力が高いだけの身食いの平民。警戒すべきはフェルディナンド様」という前提、変えられなかったのね。


お姉ちゃんになって張り切るマイン。早速子供向け絵本を作ることにする。まずは色インクとガリ版だよね。

そんな中、神殿に捨て子が。

今は乳母になれる灰色巫女がいないので誰も育て方がわからない。神官長マジ使えない…

マインは弟を参考に、デリアに責任を持たせることにする。

しかし難題が。なんと捨て子のディルクは身食いだった。

神官長に相談すると、今後の身の振り方を検討しながら密かに育てなければならないとのこと。

自分が上級貴族の養女になることを領主に許可されたことが、いかに特別であるか知るマイン。

貴族が情や慈善活動で子供を引き取るなどあり得ない。

金をかける価値があるか。…これは今後もずっとつきまとう問題だなあ。


色インクの研究は、インク工房のハイディが担当することになったが、ぶっ飛んだ性格に先が思いやられる。

神殿ではアルノーが持ってきた伝言が原因でデリアが大暴れ。

休息中のフランをたたき起こして困らせる。

なんとかなだめるマインだが、デリアのディルクに対する一途な愛情にちょっと不安が…

ここまでは起承転結でいうと「承」かな。

ここからは不穏な空気がどんどん高まって大団円へ向かいます。


鍛冶工房からの帰り、東門で救援信号が上がる。

護衛騎士ダームエル様とともに急ぎ帰宅するマイン。

父さんの話によると、他領の貴族が領主の許可なく街に入ろうとしたとのこと。

招待した貴族が、今は領主の許可がなくては入れないということを知らずに紹介状を出したのではないか。

不穏な空気のためマインは家から出られなくなる。

5日目になってやっと神殿へ行くことができたが、なんとデリアとディルクがいなくなっていた。

ディルクに関して神殿長から素晴らしい条件を提示されたのでそちらへ行ったとのこと。

騙されているのではと悩むマインだが、もともとデリアに厳しかったフランとロジーナに、切り捨てろと諭される。

そして他領の貴族の紹介状を出したのは神殿長だったことが判明。

プロローグの悪だくみにどう繋がっていくのか。



貴族社会では些細な失敗が取り返しのつかない汚点として残る。

これ、今後も何度も出てくるセリフ。



書き下ろしSSなど


()内は大まかな内容。

「Web版」と書かれていないものは書籍化にあたっての書き下ろしです。

  • プロローグ:神殿長ベーゼヴァンス視点
    (これがあれば威圧なぞ恐くない)
  • エピローグ:ルッツ視点
    (マインはもういない)Web版第168話の三人称改稿
  • 短編1:「ベルーフの資格」
    ヨゼフ視点(可愛い妻?)
  • 短編2:「領主のお忍び」
    レオン視点(領主様を連れて森へ?勘弁してくれ)

  • 閑話集「それから貴族街へ向かうまで」

  • 閑話1:「フリーダ 貴族街訪問」
    フリーダ視点(あの突然の光は何ですの⁈)Web版第169話
  • 閑話2:「ジルヴェスター 騒ぎの後始末」
    ジルヴェスター視点(肉親を断罪したぞ。誰か褒めろ)Web版第170話
  • 閑話3:「アルノー 私とフラン」
    アルノー視点(私はフランを許せない)Web版第171話
  • 閑話4:「ベンノ 仕事を減らそう」
    ベンノ視点(俺にばかり仕事を振るな!)Web版第172話
  • 閑話5:「フラン 神殿長の側仕えになるために」
    フラン視点(ローゼマイン様のお役に立ちたい)Web版SS置き場「神殿の変化」加筆
  • 閑話6:「エーファ 前を向いて」
    エーファ視点(ギュンターったら、しっかりして)


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感想(ネタバレあり)


涙、涙の第二部最終巻。

プロローグからいきなり不穏な雰囲気。

ビンデバルト伯爵がすごく偉そう。
伯爵なので実際身分が高いんですが、魔力を吸収する黒い魔石で神殿長を丸め込みます。

この頃の貴族達はみんなマインのこと知らなさすぎですよね。
まあ神官長でさえよくわかっていなかったんだけど。

それでも前半はまだ平和。

色インク作りに四苦八苦。文字が読めなくても研究はできる!研究バカの問題児ハイディ。

香月先生曰く、「(ヨゼフとハイディは)平民のまま大人になったルッツとマイン」のイメージだそうです。

そっかーマインってこんな奇人変人になるifもあったのか。


ディルクを弟と意識させ、デリアにまめに面倒を見てもらうための動機づけに成功。

どんどんディルクに傾倒していくデリア。でもディルクは身食いでした。

(神殿長に隠していたはずなのに、デリアの間接的な報告から身食いだと知られてしまっていた、と「ふぁんぶっく6」のQ&Aにありました)


本好きの下剋上ふぁんぶっく6 (TOブックスラノベ)


ディルク最優先で盲目になっているデリアがマインの弱点となります。


ビンデバルト伯爵を門で通してしまったことから、事態は一気にクライマックスへ

ギュンターが頑張ったのに、このころの兵士、危機感なし。

騎士からの指示より私怨優先。(第五部9「レクル 西門の戦い」)

貴族がもっと平民とコミュニケーションを取っていればよかったのかな。

トゥーリはもちろん、たぶんルッツにもマインの危機感は伝わっていないよね。


下の資料はビンデバルト伯爵事件のネタバレ付き時系列です。

ここ読んでて思ったのは、

マインめちゃくちゃ戦ってる! 神官長何やってんの~

だったんですけど、マインが10歳を待たずに領主の養女になるルートがこれだったわけですよね。

マインに選択肢を与えないための細い細いルート。

フェルディナンドがさっさと廊下に出てきて簡単に伯爵を倒しちゃうと、あの緊張感はなかったし、

マインは貴族を攻撃しないので家族を守るために養女になる必要がなくなってしまったでしょう。

水戸黄門的なジルヴェスターの登場もインパクトなくなっただろうしね。

でもやっぱりフェルディナンドとアルノーにイラッとしちゃうよね!

そしてフランに戦わせたフェルディナンド、許すまじ。


資料 ビンデバルト伯爵事件時系列(ネタバレ注意)







コミカライズ版 なし


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第二部をアニメで観よう!


第二部は、アニメ第二期と第三期に当たります。

最新(2022年)第三期のアニメ公式ホームページはこちら


TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイト


このサイトでは、たくさんのファンが涙したPVが見られます。

そしてなんと、トップページをずっと下がっていくと秘密の扉があるんですよ!

(2022年エイプリルフールのお楽しみでした~)

ブルーレイ・DVDはTOブックスのオンラインストアからどうぞ。


本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜Blu-ray BOX 神殿の巫女見習い2【アニメグッズ】 - TOブックス オンラインストア


私は大枚はたいてブルーレイBOXを買いましたが、動画配信サイトでも見られます。


なお動画配信サイトですが、私はU-NEXTしか利用したことがないのでそちらを紹介しますね。

U-NEXTでは、動画を観るだけでなく、雑誌や書籍、コミックスも読むことができます!

動画(映画やアニメやドラマ)に関しては、新作以外は追加料金なしで見放題。

もちろん本好きの下剋上のアニメも全部見られます。

書籍やコミックスは有料(一部無料)ですが、なんとお財布を痛めなくてもいいんです。

月額2,189円(税込)払うけど、毎月1,200ポイント付与されるので、それを使って買えちゃうからです。

私はポイントで毎月雑誌やコミックスを買ってます。

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