ヒロイン側だけの視点で描かれた、クラシカルな作品。
コミックス版の絵が美しくておすすめ。ヒーロー超イケメン。内容も原作に忠実です。
<読み進む前に>
- 一部ネタバレあり。
- あらすじは筆者が作成したものです。
- 感想・おススメ度はあくまで筆者の個人的な印象に基づいています。
おススメ度
評価 :★★★★(けっこうお気に入り!)
ホット度:寸止めで終了。残念・・・
あらすじと感想
※超ネタバレあり!ご注意ください!
あらすじ
人生に貪欲で積極的な美しい従姉、フェイに促され、
住み慣れた小さな村を離れ、ロンドンで秘書生活をするようになったケンドラ。
恋愛にはやや後ろ向きな彼女だが、新生活は充実していた。
しかし従姉の結婚式で会ったハンサムな男性デーモンは、
最初から彼女に敵意を持っているように見えた。
なぜ? ケンドラはそれ以来彼のことが忘れられないでいた。
そんなとき、フェイの母親に頼まれて、再びアテネへ向かうことに・・・
感想
最初読み進めていくうち、空港の場面で違和感を覚えると思ったら、「ドラクマに両替」という言葉でした。
ユーロじゃないんかい…
どうりで携帯電話もパソコンも出ないわけですねー。
コンピューター部ってものは出てくるけど。windows95は1995年だし・・・ブツブツ
(初版年等は基本情報をご覧ください)
なんだかあらすじに書くことがあまりなかったのですが、普通のハーレクインでした。
ヒロインのケンドラが、意地っ張りではない上自制心があること、
気分屋の従姉に対して、思いやりのある対応を続けることに好感が持てました。
フェイはわがまま娘かと思ったけど、そうではなかったのね・・・ヒロインはそれがよくわかっていたようです。
意地悪な元恋人とか、ストーカーは特に現れず。
誤解を招く女性くらいで、ちょっと変化に乏しい内容。
登場人物に悪人が一人もいないとこうなるのね。
比較的シリアスな内容なのですが、ヒロインのせりふが時々笑えます。
たとえば、妊娠して動揺し、八つ当たりする従姉をなだめる時など、
「・・・彼の希望どおりに赤ちゃんを産むことにしたの。だって彼は、わたしがバージンでなかったことを怒っていたから。ギリシア人ってそうなのよ」フェイは腹立たしげにほおを染めた。「もちろん彼は何をしてもいいわけよ。彼がやもめになって以来、ずっと禁欲生活をしてきたはずがないことぐらい、よくわかっているわ」
「もう済んでしまったことは仕方がないでしょう?」
ケンドラさん、「済んでしまったこと」って…それはそうだけど、フォローになっていないのでは。
フェイは枕にもたれてぐったりとしていた…「妊娠だけはするものじゃないわよ」
「しないように努めるわ」ケンドラは約束した。
いや、約束する必要はないのでは…
時代のせいなのか、ヒーローが勝手にヒロインを退職させてアテネに滞在させるのは驚き。
さすがにやりすぎ感がありました。そこまで傲慢なキャラじゃなかっただけに。
また、ジェシカ・スティールなので、最終章でヒーローが延々と自分の気持ちを説明して、ヒロインが喜んで終わり。
やっぱり告白長かったなー。ジェシカ・スティールだけに。
なお、この作品はコミック版があります。こちらは告白場面が短い上、絵が美しくておすすめ。お気に入りの一冊です。
基本情報
自分の情報整理のための覚書ですが、お役に立てば幸いです。
原題・出版年等
原題:To Stay Forever
著者:ジェシカ・スティール Jessica Steel
訳者:江口美子
初版:1989年(日本1990年)
舞台:ギリシャ、アテネ
(覚書)
購入形態 :電子書籍
購入サイト:楽天Kobo(書籍版)、ハーレクインライブラリ(コミックス版)
登場人物
ヒロイン:ケンドラ・ジェフコット(秘書、22歳)
ヒーロー:デーモン・ニアルコス(ユージーンの会社の社長、30代半ば。ユージーンの友人で遠縁にあたる)
その他 :フェイ・テメリス(ケンドラの従姉、24歳)、ユージーン・テメリス(フェイの夫、40歳くらい。裕福なビジネスマン)、コスタス・テメリス(ユージーンの息子、22歳くらい)
(こちらもどうぞ) 「君と出会ってから」ジェシカ・スティール/葛城しずく
★今度レビューも書きますね。雰囲気がこの作品に似ている良作です。