多才な作家、スーザン・ブロックマンのSEALs(シールズ、米国海軍特殊部隊)シリーズの第11作目。
古い紙書籍版だとこんなのも ⇓ 。こっちの方が雰囲気ある。
今のところコミックス版はないようです。
まさかの脇役キャラ、ウェズが主役!
ヘタレっぽくてアルコール依存症っぽくてヘビースモーカーで癇癪持ちで仲間の奥さんに絶賛片思い中の彼が、はたして主役を張れるのか⁈
読んで驚いてください!
どんなヘタレでもシールならヒーローになれる…かも…
同シリーズの第3作目のレビューはこちら
<読み進む前に>
- 一部ネタバレあり。
- あらすじは筆者が作成したものです。
- 感想・おススメ度はあくまで筆者の個人的な印象に基づいています。
おススメ度
評価 :★★★★★(何度も読み返してます!)
ホット度:★★★★(結構あるけどそればっかりじゃない!)
あらすじと感想
※超ネタバレあり!ご注意ください!
あらすじ
ブリタニ―は妹にセッティングされたデートで、妹の夫 "カウボーイ” の友人、ウェズに出会う。
彼女はバツイチで男には懲りていたものの、妹の頼みは断り切れなかった。
仕事もあるしアンディという養子もいるし、今は情緒を乱されたくない。
それでも彼女はゴージャスな微笑みを持つウェズに好感を持った。
彼は彼女の考え方や感じ方を理解し受け止めてくれる。大きな不良少年を養子にして愛情深く育ててきたことでさえ。
外見は陽気だけど、心の奥に刃を抱えたアイルランド男。
彼は間違いなくわたしのタイプ。でも残念ながらわたしは彼のタイプじゃないのよね。
それに養子のアンディが恋人とうまくいっていないみたいで心配だし。
ウェズは非常に自己評価の低い男だった。
ウェズの妹カーリンは彼の相棒ボビーと結婚した。ボビーはいい奴でカーリンは幸せ者だ。
だが、俺はいい兄じゃない。癇癪持ちでアルコール依存症になりかけていてタバコをやめられないろくでなしだ。
ブリタニ―は魅力的だ。会ってみると彼女の妹メロディより美しいと思った。
でも彼女は軽く考えていいタイプじゃない。
それに俺は親友だが浮気者な嘘つき男クインの妻、ラナに恋をしている。
ブリタニ―に深入りしないよう自分を戒めながら、ウェズはラナに頼まれたことを彼女に話した。
ラナの妹で人気女優のアンバーが、ストーカー男に悩んでいるというのだ。
ブリタニ―はアンディに関して重大な問題を抱え、ウェズはラナの妹のストーカー問題を抱えることになった。
二人はうまく周囲の問題を解決して自分達のことに専念できるのか…?
感想
スーザン・ブロックマンの「シールズ隊員」シリーズ第11作。
シールズは、米国海軍特殊部隊のことで、5週間に渡る地獄の基礎訓練をくぐり抜けた、恐ろしくタフで有能な連中の集まり。
詳しくは本編を読むか、wikiをどうぞ。
「希望は君の瞳の中に」同様、ちょっとヘタレたヒーローが出てきます。
私はちょっとヘタレたヒーローと芯の強いヒロインの組み合わせが好きなのかなー
あまり出来過ぎたカップルは苦手なようです。
さて、これまであまりカッコよく描かれてこなかった、なんなら犯人候補に挙がったこともあるウェズがヒーローです。
彼は自己評価が低いものの実は誠実で温かい人柄でした。
それに結構モテることが判明。ちょっと意外。
ウェズの笑顔が魅力的だなんて初めて知ったよ…どっちかというと不細工だと思っていた。偏見?
まあ、これまで登場したヒーローほどハンサムではないことは確か。背も高くないし。
でもそれはブリタニ―にはあまり問題じゃない。
彼女は美人だし、いい家族も打ち込める仕事もある。足りないのは恋人というか誠実な夫だけなわけで…
この二人、しょっぱなからかなり性的な相性が良さそうな雰囲気。
前半からいわゆる「化学反応」を懸命に抑えている描写が多くて、ちょっとにっこりする。ラブコメだよね。
今夜は気にしてはいけないことがたくさんあった。たとえば、シャワーのあとで彼女が身につけたのがカットオフジーンズと体にぴったりしたTシャツで、ジーンズとTシャツの間に隙間があり、腕を動かしたり歩いたりすると、へそがちらりと見えることも気にしないよう努めた。
という我慢を強いられるウェズとか、
テストだわ。正真正銘のテストだわ、とブリタニ―は思った。ウェズがはいってくるとき眼鏡をかけたままでいられれば、わたしはほんとうに、彼に友情以上のものを望んでいないという証明になる。
と自分をテストしたりするブリタニ―とか。もちろんはずすんですけど (笑)。
でもベッドイン(死語)してからはいきなりシリアス展開で、危機においては二人ともめちゃくちゃカッコいい。
もともとウェズは「お仕事モード」の時、たとえばアンディやアンバー(ややこしい)の前ではすごく男前なんですよね。
ブリタニ―の前では思っていることを何でもしゃべっちゃうのでヘタレっぽいだけで…どちらも本当の彼。
そしてブリタニ―はわりといつでもカッコいいので安心ですね!
基本情報
自分の情報整理のための覚書ですが、お役に立てば幸いです。
原題・出版年等
原題:Night Watch シリーズ名はTall, Dark and Dangerous
著者:スーザン・ブロックマン Suzanne Brockmann
コミックス版著者:なし(2023/8現在)
訳者:黒木 恭子
舞台:米国、カリフォルニア州ロスアンジェルス
初版年:2003年(日本2004年)
(覚書)
購入形態:電子書籍
購入サイト:Amazon.co.jp
登場人物
ヒロイン:ブリタニ―・エヴァンズ(看護師、30台半ば)
ヒーロー:ウェズリー・スケリー(ウェズ)(シールズの隊員、30歳くらい?ブリタニ―より年下)
その他:アンディ(ブリタニ―の息子)、マット・クイン(ウィザード)(ウェズの親友でシールズ隊員)、ラナ・クイン(ウィザードの妻)、アンバー・ティアニー(ラナの異母妹)
シリーズ作品 危険を愛する男たち
このシリーズは結構古く、ハーレクインなので昔の表紙はかなりクラシックだったりします。
でも読んでも古臭い感じはしないし、内容としてはMIRA文庫版の表紙の方が合っていると思う。
① 私のプリンス (mirabooks)
ジョー(キャット)とヴェロニカ
② あの夏のヒーロー (mirabooks)
ブルーとルーシー
③ 希望は君の瞳の中に (mirabooks)
フリスコとマイア
④ 招かれざる求婚者 (mirabooks)
ジョーンズ(カウボーイ)とメロディ(ブリタニ―の妹)
⑤ 誇り高き微笑 (mirabooks)
ハーヴァードとP・J
⑥ 禁断の口づけ (mirabooks)
クラッシュとネル
⑦ 遠き日の英雄でなく (mirabooks)
ジェイクとゾーイ(年の差カップル)
⑧ 希望への旅人―危険を愛する男たち〈8〉 (MIRA文庫)
ミッチとレベッカ
⑨ ラッキーをつかまえろ (mirabooks)
ラッキーとシド(ウェズが疑われる!)
⑩ 大いなる誘惑―危険を愛する男たち〈10〉 (MIRA文庫)
ウェズの相棒ボビーと妹カリーンのお話
⑪ 本書
⑫ SEAL Camp: (Tall, Dark and Dangerous Book 12) (English Edition)(日本語版なし)
スペースマンとAshley
⑬ King's Ransom: (Tall, Dark and Dangerous Book 13) (English Edition)(日本語版なし)
トーマスとターシャ
⑭ Blame It on Rio: Tall, Dark & Dangerous # 14 (English Edition)(日本語版なし)
リオとCasey