コージーなロマンス、コージーなミステリ

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帰ってきた侯爵夫人 アン・アシュリー


同じアン・アシュリーの、「消えた子爵夫人」と混同してしまうのだけど、あちらは名ばかりの子爵夫人。こちらは結婚して幸せな生活を送っていた二人に突然亀裂が入って…という話。
(いや混同しているのって私だけかもしれないけど。でも似てるよね?)


<読み進む前に>

  • 一部ネタバレあり。
  • あらすじは筆者が作成したものです。
  • 感想・おススメ度はあくまで筆者の個人的な印象に基づいています。


おススメ度


評価  :★★★★(結構お気に入り)

ホット度:アン・アシュリーですから…生々しい描写はなし。


あらすじと感想


※超ネタバレあり!ご注意ください!

あらすじ


ロクサム侯爵ジュリアンは、無垢で美しく従順な妻ジェニファーと順調な結婚生活を送っていた。

しかしある日、隣人と遠乗りに出かけた妻を探しに出ると、彼女はあろうことかその男と裸でベッドにいた。

妻は何も記憶がないと言いつつも不実を認め謝罪したが、彼には到底妻を許すことができなかった。

何度も手紙をくれたが無視していると、ジェニファーは領地から離れるなとの命令に反し、ロンドンの屋敷まで追いかけてきた。

執事に追い返されたジェニファーは、それきり行方不明になる。

そして9年後、美しく自信に溢れた女性に変貌した妻が、離婚を求めて彼の前に姿を現した…


ジェニファーは、16歳でロクサム侯爵と結婚し若い侯爵夫人となったが、夫を愛していたので幸せだった。

それなのに、なぜか夫を裏切ってしまった。

自分に記憶はないが、現場を押さえられたことは間違いないので、深く傷ついている。
彼女は自分を許すことができない。

だから夫に冷たくされても、離婚されても、夫が愛人を何人も持っていたとしても内心仕方ないと思っている。

とはいえ卑屈になっているわけにはいかない。今は守るべきものがあるのだから。

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感想 


珍しくも、現場を見られて(ただし事後)不貞を認めざるを得なかった妻の話です。

ヒロインは自分を責めているので、夫に無理を言われると、一旦は反発するものの最終的には折れます。
また、夫に優しくされても応えることが難しい。自分にはその資格がないと思っています。

そのあたりはかわいそう。

ただ、記憶がないことをおかしいと思わなかったのかとか、愛してもいない男とベッドの中にいたらまず疑え、とか思い切り突っ込みたくなりますが…

でもそうやってツッコミを入れるとハーレクインは読めないですから(キッパリ)。

一応、謎ともいえないミステリ仕立てです。

まあ、アン・アシュリーなので詰めが甘く、クライマックスも「二人きりで会うなって言われたよね?」とか「肺結核って感染症だよね?」とかツッコミたいのはやまやまですが、

ヒロインが自立はしていても意地っ張り過ぎではないし、暴走してもいないし、ヒーローもちゃんと活躍させてくれたので気に入っている作品なのです。

(アン・アシュリーの作品はヒーローが途中までカッコいいのに、肝心なところで活躍できないことが非常に多いので)



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基本情報


自分の情報整理のための覚書ですが、お役に立てば幸いです。

原題・出版年等


原題:The Reluctant Marchioness

著者:アン・アシュリー Anne Ashley

訳者:大谷真理子

初版:2002年(日本2005年)

舞台:英国、サマセット州ロクサム・パーク

(覚書)
購入形態:電子書籍

購入サイト:ebookjapan



登場人物


ヒロイン:ジェニファー(ジェニー)・ステイプルフォード(ロクサム侯爵夫人、9年前に失踪、25歳)

ヒーロー:ジュリアン・ステイプルフォード(ロクサム侯爵、35歳)

その他 :セリーナ・カーステアズ(ヒロインの友人、25歳)、セオドア(セオ)・デント(ヒーローの友人)、メアリー・ハーパー(ヒロインの友人兼メイド)、パトリック・フェイ(ヒロインの友人兼馬丁)、ジェフリー・ウィルバーン(隣人、不貞の相手)、メリッサ・ロイストン(隣人、ジェフリーの異母姉)、スローカム(執事)

似てるけど違う!アン・アシュリーの作品


なお、消えた子爵夫人はこちらです。

コミックスが良くできていて、①②巻に分かれています。
失踪して数年ぶりに現れた赤毛でグリーンの瞳の美女と、何人も愛人のいる夫って…似てる。

でもよく考えたら、内容はだいぶ違う気がする。うん、でも雰囲気がすごく似てる。