原作は中編です。この中の最初に収録されています。
弟の恋人(と思いこんだ女性)が自分の好みど真ん中! こんなセクシーな妖婦は王族にふさわしくない! なんのかんのと理由をつけて二人を別れさせようとするヒーロー。
しかし、ヒロインが最初の印象とは異なり誠実な人柄だったので、惚れこんでしまい悩む次期国王のお話。
コミックス版は、お気に入りの作家、ハザマ紅実さん担当。原作にかなり忠実で、ヒーローもヒロインも魅力的に描かれていて素敵です。
<読み進む前に>
- 一部ネタバレあり。
- あらすじは筆者が作成したものです。
- 感想・おススメ度はあくまで筆者の個人的な印象に基づいています。
おススメ度
評価 :★★★★★(原作もコミックスもおススメ!)
ホット度:そこそこあり。あって良かった。
あらすじと感想
※超ネタバレあり!ご注意ください!
あらすじ
イギリスにいる弟ハリッドに、結婚を考えている恋人がいることを知った、次期国王であるタリクは、弟のいるロンドンにやってきた。
彼は、両親の別れの原因ともなった異文化間の結婚に断固反対しているため、相手の素性を突き止め、
金銭という古典的な手段で2人を別れさせることにする。
入手した写真には、弟が2人の女性と一緒に写っていた。
それを見て、タリクは2人のうち、よりセクシーで意志の強そうな赤毛の女性を弟の恋人と決めつける。
「王族としての責任を忘れさせる」ような魅力を持っているのは、こっちの女性に決まっている。
慎重であらねばならない王族でありながら、いきなり勘違いして断定するヒーロー…
一方、勘違いされた「男の狂気を引きだすような魅力がある(タリク談)」ベアトリスは、
そもそも身に覚えのない話であるうえ、タリクの傲慢な態度と横暴な申し出に憤慨。
仕返しもかねて、親友エマとハリッドのためにひと肌脱ごうと決心する。
彼女はハリッドの恋人のふりをして、奔放な女を演じるために兄弟の祖国へ行くのだが…
感想
先にコミックスの方を読んだのですが、原作も同じくらい良かったです。
ヒーロー・タリクは裕福な砂漠の小国(ハーレクインの世界には、裕福な砂漠の小国が無数に存在する)の次期国王。
国になじめなかった母の悲惨な思い出から、異文化間の結婚に断固反対しています。
そんな彼ですから、弟が異国の女性との結婚を考えていると知ると、ふたりを引き離すべく立ち上がるのですが、
なんと、弟の恋人を取り違えてしまうという致命的なミスを犯してしまうのです!
まあ、よほどヒロインが自分のタイプだったんでしょう。
でも、ヒーローが間抜けだったのはそこだけで、あとはかなり魅力を振りまいていました。
責任感があるし、とてつもなくいい男(ヒロイン談)だし、思いやりもある。
弟を愛しているだけに、弟の恋人(と思っている)の唇や胸元やその他にばかり目が吸い寄せられる自分を責めます。気の毒に…
一方ヒロインは一筋縄ではいかないタイプ。
正義感があるうえ、心もやさしい。
やや向こう見ずのところがありますが、ヒーローのいじめや侮辱にも屈しません。
傲慢に命令されると反抗したくなる。言いたいことは全部言う!
…とはいえ経験不足のため、ヒーローからの誘惑にはなかなか勝てない。
嫌いでもないイイ男からの誘惑に抵抗するのは、経験者でも難しいであろう。
ヒーローもヒロインもきっぱりとした性格、邪魔者もストーカーも存在せず。
恋の成就を妨げるのはお互いのみでしたね。
ヒーローが「狙った獲物は逃がさない」傲慢タイプで良かった。
基本情報
自分の情報整理のための覚書ですが、お役に立てば幸いです。
原題・出版年等
原題:THE SHEIKH AND THE VIRGIN(あんまりなタイトルじゃない?)
著者:キム・ローレンス Kim Lawrence
コミックス版著者:ハザマ紅実
訳者:高木晶子
舞台:中東、ザフラト国
初版年:2008年(日本2009年)
(覚書)
購入形態:電子書籍
購入サイト:Amazon.co.jp(書籍)、
ひかりTVブック(コミック版)
登場人物
ヒロイン:ビアトリス(ベア)・デブリン(住所・職業不定、年齢不詳(見つからなかった))
ヒーロー:タリク・アル・カマル(ザフラト国の皇太子、32歳くらい)
その他:エマ(ベアの親友)、ハリッド(タリクの弟)、サイード(タリクの有能な部下)
(こちらもどうぞ)「エーゲ海の独身貴族」「大富豪と遅すぎた奇跡」レベッカ・ウィンターズ/ハザマ紅実
★同時進行の二作品です。どちらもおすすめ。