ノベルが現在9巻まで発売中。コミカライズ版もあります。
(10巻はまだ公式に告知されていませんが、2024/6/14発売のようです)
「このライトノベルがすごい!2024」の「単行本・ノベルズ部門」で第2位になっていましたので、ラノベをお読みの方はご存じかも?
そろそろアニメになってもおかしくないな~と思っている作品です。
でも謎がものすごく多い割に、明かされていることが少ないので難しいかなあ。
最初の方は動きも多いし話がサクサク進むので、アニメにしやすいと思うんですけどね。
アニメにならないまでも、オーディオブックになってくれるとすごく嬉しい。
ひとこと紹介
「小説家になろう」でだいたい月2回の頻度で連載中。(以前は毎週だったのだけど最近ちょっと遅くなっています)
異世界もので、一応転生もの。
300年前に伝説とともに非業の死を遂げた大聖女の魂が、騎士を目指す少女の中で蘇ったというお話です。
元日本人とか、おいしい料理が出てくるとか、そういうお話は一切ありません。
でも異世界なのにチェスがあったり、ビリヤードがあったり、青い鳥の物語があったり。
つまり世界設定は緻密ではない。
…のですが、結構謎が奥深いのでそんなことはサラッと流しましょう。
すごく面白いんですけど、全く先が読めない作品。そこが良くてずっと読み続けちゃう。
関連サイト
小説家になろう 「大聖女」連載ページ:https://ncode.syosetu.com/n7673ff/
アース・スター・ノベル 「大聖女」特設サイト:https://www.es-novel.jp/special/daiseijo/
コミック・アース・スター 「大聖女」連載ページ:第1話 大聖女 / 転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint - 漫画:青辺マヒト/原作:十夜・chibi | コミック アース・スター
関連作品
番外編として、本物の大聖女の少女時代を描いた作品があります。こちらは全編書き下ろしです。
こちらも「大聖女」の特設サイトで詳細を見ることができますよ。
それでは、詳しくご紹介しますね。
<読み進む前に>
- 一部ネタバレあり。
- あらすじは筆者が作成したものです。
- 感想・おススメ度はあくまで筆者の個人的な印象に基づいています。
- ひとこと紹介
- おススメ度
- 全体のあらすじ
- 各巻のあらすじと感想
- 第1巻 成人の儀 ~ 第四魔物騎士団への派遣 まで
- コミカライズ版(小説第1巻)
- 第2巻 クェンティン団長登場~黒竜探索後 まで
- コミカライズ版(小説第2巻)
- 第3巻 第一騎士団への復帰~カーティス団長が! まで
- コミカライズ版(小説第3巻)
- 第4巻 突然カノープス!~サザランド出発 まで
- コミカライズ版(小説第4巻)
- 第5巻 特別休暇でザビリアに会いに~再会 まで
- コミカライズ版(小説第5巻)
- 第6巻 魔人が怖い~緋色グリフォンとの出会い まで
- 第7巻 王都への帰還~オルコット公爵家訪問 まで
- 第8巻 公爵邸の聖女たち~ロイドとセルリアンの願い まで
- 第9巻 大聖女の薔薇~セルリアンの無茶振り まで
- 300年前のお話 転生した大聖女は、聖女であることをひた隠すZERO
- 十夜先生のほかの人気作品
おススメ度
評価 :★★★★★(かなりお気に入り)電子も紙もコミックスも全部買ってます!
冒険度:★★★
ミステリ度:★★★★ 謎だらけなんですけど、手がかりがあまりない上一向に謎解きが進まないので…
全体のあらすじ
全く才能がないのに騎士になることにこだわって努力を続けてきたフィーア・ルードは、ある日前世の記憶とともに大聖女の能力を取り戻す。
大聖女でありナーヴ王国第二王女であったセラフィーナは、聖女が当たり前に存在した300年前でさえ飛び抜けて優秀であり、非常識な能力を持っていた。
しかし王子である3人の兄達に魔王の城に置き去りにされ、魔人になぶり殺されたのだ。
彼女が大聖女の生まれ変わりであることが知られると、どこかに潜んでいるだろう魔人がまた彼女を殺しにやってくる。
それだけでなく彼女の周囲の人々もことごとく殺されるだろう。
だからフィーアは大聖女の能力を隠し通さなくてはならないのだ。
そうか、だから私はどうしても騎士になりたかったのか。
――というところから始まります。
あらすじを読むとシリアスに感じますが、まったくそんなことはありません。
300年前は純粋すぎて兄達の悪意を信じられず(たぶん)、魔王を封じることには成功したものの、魔力が枯渇して放置されたあげく「魔王の右腕」と呼ばれる魔人に殺されてしまったようです。(この経緯も未だに不明)
その記憶は辛い。思い出そうとするとパニックになるくらい辛い。
でもフィーアはかなりの天然。能力を隠しているつもりで全く隠せていない。
周囲は経緯や結果を目にして唖然とするばかりなのですが、真実にはたどり着けていません。
その理由のひとつは彼女がお調子者過ぎるから。
前世の大聖女らしい純粋さや潔癖さや健気さはあまりないうえ、周囲の悪意をうまくあしらう才能がある。
ポンコツ騎士なのにチートを駆使して騎士団にもぐりこんだりするし😉、
前世同様、兄達から妹への愛情はほぼないけれど、前世ほど悪辣でもないのであまり気にしていないし。
騎士団でも人気者。
孤独感や悲壮感はないので、300年後の部分は楽しく読めますよ。
むしろ大笑いしながら読んで、フィーアがやらかしたり、大聖女無双したりするのを眺めてください。
そして私同様、「いつになったら謎が解けるの~」とジリジリしてくださいね。
目次へ
各巻のあらすじと感想
ノベル各巻のあらすじ+感想と、コミカライズ版の紹介です。
第1巻 成人の儀 ~ 第四魔物騎士団への派遣 まで
ちょっとクラシックな感じの素敵な表紙ですね。たまーに批判される方も見かけますが、私はこのイラストレーターさんが好きですよ。
特に色使いと、フィーアがちゃんと可愛いことが気に入っています。
口絵は、紙書籍の初版本特典SSの場面。というよりあとがきを読むと、この構図をリクエストしたらあまりに素敵なイラストが出来上がったので、十夜先生が特典SSの題材にされた模様。
私は初版本を買えなかったので紙の特典SSは持っていないのですが、電子書籍に入っていたので問題ありませんでした。
あらすじ
ナーヴ王国の騎士一家、ルード家の末娘フィーア・ルードは、15歳になるにあたってルード家特有の「成人の儀」を受けることになった。
騎士になりたいのであれば、何でもいいから魔物を狩って体内にある魔石を持ち帰らなくてはならない。
母はすでにいないが、父親は騎士団の副団長、兄達も姉も優秀な騎士である。
騎士としての強さが絶対評価基準である兄達から見ると、フィーアはまったく騎士の才能がないため冷遇されていた。
それでも彼女自身は絶対に騎士になりたいと思っている。
だから優しい姉は一旦成人の儀へ赴くことを止めたけれど、高価な回復薬を持たせて送り出してくれた。
持ち前の脳天気さで森へ向かったフィーア。
そこで出会った伝説級の魔物「黒竜」に襲われて死にかけた時、彼女の中の大聖女の記憶と能力が目覚める。
さらに、知らずに黒竜の傷を癒やし完全回復させたため、一方的に従属契約を結ばれてしまう。
通常では王家に報告しなければならないくらい強大な魔物が知らぬ間に従魔になったのだが、父親は半信半疑なのもあり報告しない道を選ぶ。
「黒っぽい竜っぽい魔物≠黒竜」ということになった。
数か月後に迎えた騎士団の入団試験。フィーアは試験官に手加減を知らない兄達がいたにもかかわらず、大聖女チートで超難関の試験に合格する。
大聖女であることを隠し通すためにも、騎士団に入ることは重要だ。
幸い同期にはファビアンという優秀で貴族の嫡男という仲良しもできた。フィーアの未来は明るい。
しかし入団式で王族であるサヴィス総長に常識外な能力を認識されてしまった上、魔法を付与した剣を使ったことがバレてしまう。
いきなり注目されて大誤算である。どこまでも迂闊なフィーアだった。
なぜかエリート集団である第一騎士団に配属されたり、第六騎士団に同行した際に大聖女の知識や能力を発揮してしまったりしたが、フィーアが一番関心を持っていたのは戦いに同行する聖女の能力だった。
そして今の聖女の特別待遇とその能力の低さにポカーン。
聖女はいったいどうなってしまったのだろう。いったい誰が聖女をこんなにしてしまったのか。
聖女は騎士とともに戦う存在のはずなのに。悲しみと衝撃で涙が止まらない。
しかしシリル団長に命じられて派遣された第四騎士団の仕事で、シャーロットという素直で向上心のある聖女の卵に出会い希望を持つ。
そしてその出会いでも迂闊さから大聖女無双を思い切りやらかしてしまうが、シャーロットはフィーアの味方になった。
収録短編
- フィーア、訳あり冒険者と回復魔法を検証する:フィーア視点
聖女の力を検証するため、フィーアは3人の勇気ある男たちと行動を共にする(迂闊すぎるだろ!)
- 初版特典 騎士団総長サヴィス~始まりの風とともに:サヴィス視点
(初版の紙書籍の特典ですが、電子書籍の後ろにも付いています)
フィーアは為政者の感覚で話をする不思議な少女だ。彼女の髪の色は…
※店舗特典SS一覧はこちら ⇓
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/2337945/
今から手に入れるなら、BOOK☆WALKER、DMM.com の電子書籍でしょうか。
感想
謎は多いものの、フィーアの迂闊な聖女無双が楽しい巻です。
ひどすぎる迂闊さなのですが、根が聖女なので仕方ありません(?)。
シリアスな部分は、最初に出てくるフィーアの家族よりずっとひどい大聖女セラフィーナの兄たち。
この巻にはありませんが、今後時々出てくる300年前の話や、番外編ZEROでそのひどさがわかります。
その兄達のせいで彼女の最期は残酷で悲劇的なものとなったのだから、今の兄達なんて可愛いものです。
そう、よくある転生ものでは、転生後は死に際のことを憶えていないことが多いのですが、フィーアは残酷な殺され方をしたことをちゃんと記憶していて、トラウマになっています。
だから未だにまともに思い出してはいない。
彼女には優秀な護衛騎士と近衛騎士団、過保護な従兄がいて常に彼女を守っていたはず。
それなのに魔王の城へ行った時、彼等はいなかった。
少なくとも護衛騎士も過保護な従兄もいなかった。とても不自然です。なぜ?
これから少しでも謎が解けるといいのですが。
その他にも、
- なぜ精霊がいなくなったのか?
- なぜ聖女は弱くなったのか?
- 回復薬はいつからあのようになってしまったのか?
- なぜサヴィスとシリルは酔っ払ったフィーアの言葉にあれほど衝撃を受けたのか?
- サヴィス総長の怪我の原因は?
- 第一騎士団に近々若い女性騎士が必要になるのはなぜ?
などなど、謎がどんどん出てきました。次巻はどうなるのか。
コミカライズ版(小説第1巻)
青辺マヒトさんがコミカライズされています。連載ページはこちら。
第1話 大聖女 / 転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint - 漫画:青辺マヒト/原作:十夜・chibi | コミック アース・スター
第1巻。
chibiさんと全く作風が異なるのでちょっと驚くのですが、まず上のサイトで試しに読んでみてください。
すごくテンポが良くておもしろいんです!
絵柄は巻が進むにつれて安定してきますので、まだこの巻は様子見。
でもシリル団長はイケメンです。
内容は第六騎士団に同行して魔物と戦ってたら…というところまでです。
第2巻。
表紙のフィーアがカッコいいですね。安心してください、ちゃんとカッコいい場面があります!聖女としてですけど。
内容は、デズモンドの報告~シャーロットとの出会いまで。
だいたいこの巻までが小説第1巻の内容です。
ちょっと疑問なのは、魔物討伐の際に騎士達が鎧を着ていないこと。
魔物と戦うのに、防御力のない制服で行くのは有り得ないと思うんですけど…
ファビアンがお姫様抱っこ(💗はつかない)する際に、原作では「鎧のせいで重い」という描写があるんだけど。
でもマンガになる際に「鎧⇒制服」にセリフが変わっていました。
ということは、意識してそうした、ということなんですね。
制服萌えを狙ったのか、鎧兜では顔が良く見えないからか、理由はわからないですが…
そこがちょっと気になる以外は、魔物も迫力があってテンポが良くていいですよ!
なお、この巻には書き下ろしSSがありますよ! 見落とさないでね。
書き下ろしSS:騎士団トップ3によるフィーアの評価記録書
(結論。フィーアは大物)
目次へ
第2巻 クェンティン団長登場~黒竜探索後 まで
シリル団長とクェンティン団長、フィーアのスリーショットです。
騎士になったフィーアがちっちゃくて可愛い。中身はアレですが。
口絵が2枚あって、男前ザカリ―のシーンと、十夜先生の「こんなシーンがあったらいいね」というイラストだそうです。
あとがきを読むまで、服装から前巻の内容だと思って「こんなシーンあったっけ?」としばらく探してしまいました!
あらすじ
フィーアは空間を切り裂いて現れた従魔、黒竜ザビリアを連れ歩くようになる。
そこへ、彼女が派遣されている第四魔物騎士団のクェンティン団長が戻ってきた。
しかしどこか様子がおかしい。
シリル団長もギディオン副団長もいる前で、フィーアと従魔に「様」付けをし、まるでその部屋の中の最高位であるかのような言葉で話すのだ。
当然ほかの2人は訝しむが、クェンティン団長はそれに反論。当然のことだと言う。
3人で言い争っているところを辞して、フィーアは聖女シャーロットに会いに行く。
シャーロットは自分の中の聖女の力を目覚めさせてくれたフィーアが、実は強力な聖女であることに気づくが、黙っていてくれることになった。
素敵な味方だ。
実はクェンティン団長は、幼生化したという黒竜の探索に出かけて手ぶらで戻ってきたところだったのだ。
彼は生き物の発するエネルギーを見ることができる特殊な能力で、フィーアと彼女が抱く従魔の真の力を見抜いていた。
黒竜はもう成体に近いうえ、すぐそばにいるじゃないか!
そしてこのエネルギーの塊はいったいなんなんだ? ひれ伏すしかないじゃないか!
騎士団長会議ではザカリ―とクェンティンとシリルとでフィーアをなぜか取り合うことになったが、「星降の森」へ行って黒竜にお帰り願うことが決まる。
クェンティンとフィーアにとっては造作もない作業のはずだったが、結果は思ってもみないことになった。
なんと、フィーアを庇ってザビリアが真の姿を現したのだ。
フィーアに関して、聖女であること以外のいろいろな能力が露見する。
ザカリ―団長に礼を言われいたたまれなくなり、隠していることを話そうと一瞬思ったフィーアをフラッシュバックが襲う…
収録短編
今回の短編は、すべてフィーア視点でした。
- フィーア、黒竜ザビリアと『ザビリア粛清リスト』を確認する
フィーアの害になりそうな人物をピックアップして粛清リストを作成するザビリア。怖っ!
- フィーア、ザビリアの鱗をクェンティン団長に供与する
小さくなってそばにいるザビリアだが、鱗は体から剥がれた途端に本来の大きさに戻る。誰かもらって!
- フィーア、ザカリ―団長と成長について議論する
あと5年したら団長たちの背を超しますから!
- 初版特典 デズモンド憲兵司令官、フィーアに関する諜報活動から手を引くと宣言する
(初版の紙書籍の特典ですが、電子書籍の後ろにも付いています)
一体何なんだ、フィーアに関するこのどうでもいい情報の山は!
※店舗特典SSはこちら。やっぱり短編集は難しそうですね。地方民は電子書籍特典かなあ…
あーでも電子書籍特典なら、今からでもゲットできますよね! BOOK☆WALKER か kindle へGO!
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/2445466/
感想
この巻はすごく良かった!
1巻同様フィーアの能力が「隠そうとしているけど」全然隠されずに使われてしまうし、ザカリ―は裏に事情があることを察して追及しないでくれるし。
そして見どころは、ザビリアがフィーアを助けるところですよね!
ザビリアは昔青竜だったので、クェンティン団長達を襲っているのが青竜と知って最初は躊躇する。
それをわかってくれるフィーア。
でも土壇場になって、自分が守るべきものが何かに気付いて、フィーアを守ってくれるんです!ここのザビリア超カッコよくないですか?
そしてフィーアの僕(しもべ)が増えました。
クェンティン団長は、まったく事情を察していないけどフィーアが黒竜を従魔にしていることを特殊能力によって知っているので、彼女に傅(かしず)いている。
ギディオン副団長は、最初はやたらとマウント取ってフィーアに威張り散らしていたけど、それこそ小物なので彼女の能力を垣間見て己の本分を知り傅くようになる。
ザカリ―団長は僕ではないけれどフィーアに事情があることを察して一目置いている。
シリル団長は友達になりたいと言ってきた。
まったくもってモテモテですね。まったく色恋には発展しなさそうですけど。
このままフィーアの周囲が年上の男性ばかりで話が進むとなると、かなりむさ苦しいかもしれない…
コミカライズ版(小説第2巻)
第3巻。
内容は、クェンティン団長登場~ザビリア立つ!まで。
クェンティン団長の特殊能力がわかりやすく描かれています。
それから黒竜探索の際の魔物との戦いの様子も迫力満点!
原作とちょっとだけ違うけど、理解しやすくなっていますし、
周囲と比べてフィーアがやけに冷静なのがとてもわかりやすい。
なお、おまけSSとかはないみたいです。
第4巻。
内容は、ザビリアの過去~縮小騎士団長会議 まで。
ザビリアカッコいいよ!離れるのは辛いけどまた会えるよね!
フィーアの従魔が黒竜であることを共有する団長達。
いったいフィーアって何なのでしょうね? 団長さん方、誰かちゃんと推理してよ。
材料はあるのに考えなさすぎじゃない?
第5巻。
最初の方は小説2巻。デズモンドとシリル視点の挿話をコミカライズしたものになっています。
その後は小説3巻の内容になりますが、途中から小説1巻の短編、”フィーア、訳あり冒険者と回復魔法を検証する”+小説2巻の挿話、アルテアガ帝国の話になっています。
これらの話は繋がっているので、こうしてまとめてくださってとても読みやすくなりました。
このようにしても本編には影響しないしね。
とりあえず彼らがちゃんと正当な地位に就けて良かった。青辺先生、お話の構成が上手いと思う。
おまけマンガは、鱗とクェンティンの話。笑えますよ!
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第3巻 第一騎士団への復帰~カーティス団長が! まで
うわーセラフィーナ! この表紙大好きです!
後ろの青い髪の男性は…そう、いよいよサザランド編が始まります!
口絵はセラフィーナの肖像画の前でシリル団長のお酒につきあうフィーア。
あらすじ
フィーアはシリル団長に誘われて、サザランド領へ赴くことになった。
そこはかつてセラフィーナの護衛騎士だった青騎士、カノープスが治めていたところ。
フィーアは懐かしい思いで心待ちにするが、サヴィス総長に呼ばれて驚く。
どうやらサザランド訪問は公的な慰霊目的であり、そこは10年前に「サザランドの悲劇」と呼ばれる事件が起こったところらしい。
サヴィス総長はその事件はまだ終わっていないと言い、「誰が弾劾すべき者なのか」を突き止めろと言う。
サザランドに到着したものの、どうも様子がおかしい。
セラフィーナは300年前、カノープスの領地サザランドを訪問していた。
その頃の陽気な人々の様子と全く違う。領主の帰還を出迎える領民の姿がないのだ。
代わりに出迎えたのは第十三騎士団。団長はカーティスというちょっと弱々しい騎士だった。
経緯を聞いたところ、どうやら十年前、海に落ちた公爵夫人を助けなかったことで住民は理不尽に殺傷された上、国からは理不尽な裁定が下されたらしい。
その原因はすべて公爵側にあったのに、今でも公爵の血筋がサザランドを治めていることから、現公爵であるシリル団長も領民によい感情を抱かれていないとのこと。
大聖女信仰のあるこの地で、フィーアが何か役立てるかもしれない!
夜になって、フィーアはシリル団長から、母親であった聖女の話を聞く。
どうやら実力ではなく年齢のために次席に落とされ、プライドを傷つけられた母親は、ずっとサザランドの地とその民を蔑み、それをあからさまにしていた。
聖女でありながら一度として住民を癒やすことなく、聖女らしい傲慢なふるまいで自分のプライドを保つことだけに腐心していた。
しかし大聖女信仰から、住民は決して彼女を責めることはなかったのである。
そんな公爵夫人がさらに住民の神経を逆なでしたことで、ついに住民の心は離れた。
そして事件は起こり、それ以来住民は公爵家に心を開くことはない。
フィーアがこの拗れた状況に光をもたらすことができるのか…?
収録短編(300年前)
この巻から300年前のできごとが入ってくるようになりました。
- 護衛騎士カノープス:カノープス視点
300年前、この地で何が起こったのか。
- サザランド訪問事後報告:セラフィーナ視点
シリウスはスマートすぎるわ。だから私に恋人ができないのよ。
- バルビゼ公領での魔物討伐 (挿話)
セラフィーナがサザランドへ行っていた間、代わりを務めたのは?
- 初版特典 カノープスの失恋祭り:カノープス視点
私の恋心は成就した。
収録短編
- アルテアガ帝国皇弟ブルー=サファイア:ブルー視点
フィーアを発見したぞ!
- フィーアに関する大聖女報告を受領する:デズモンド視点
フィーア・ルードが大聖女の生まれ変わりなら、俺は黒騎士の生まれ変わりだ!
※各店舗特典SSはこちら。電子書籍特典なら今からでもゲットできる!
しかも kindle か BOOK☆WALKER か選べますよ。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/2556470/
感想(ネタバレあり)
最初に1巻の初版特典SSであるサヴィス総長とのやり取りが入りました。
作者様が望んで挿入したらしいので、意味深ですよね。
300年前、(たぶん大聖女が亡くなってから)ナーヴ王国の国旗は彼女の髪の色になった。
当時の騎士団総長の命らしいけど、国王じゃなくて騎士団総長?
これも謎ですよね。
ついにサザランド編が始まりました。
ここは300年前にセラフィーナが秘密裏に訪れた場所で、住民たちは自分達を救ってくれた大聖女を崇め、再訪を長い間待ち望んできました。
彼らには蘇り信仰があり、大聖女がフィーアという姿で蘇ったのだと信じます(ホントですけど)。
一方、この地を治める領主はシリル公爵で、彼は両親が死んで以来、複雑な感情に苛まれてきました。
フィーアにそれを漏らしちゃうあたり、警戒心が緩んでますよね。
フィーアは時々真実をすぱーん!と見抜くので、団長様方はお気を付けて。
さて、わかったことは今の聖女達がいかに傲慢であるか。
フィーアはシリルの母親の罪より、聖女をそのようにしてしまった王族を問題視しています。
聖女はたまたま癒しの力を持って生まれたのだから、本来は職業としてその力を使うべき。
その力を神聖視して崇めたことが一番いけないのだと。
そして第二の転生者登場! そう、カノープス!
彼はカーティス団長の中に潜んでいました! また僕(しもべ)が増えましたね!!
まあこのままだとフィーアが孤独すぎるし迂闊すぎるので、誰かそばいてくれる人が必要ですよね。良かった。
次巻が楽しみになります。
コミカライズ版(小説第3巻)
第5巻。
上にも書いたように最初の方は小説2巻で、その後は小説3巻の内容になります。
国旗の色とフィーアの髪の色の話、総長に呼び出されたあとカノープスの夢を見るまで。
なんだかファビアンが大人になっている! 少年から青年になってるよ!
このあたりからちょっとずつ青辺先生の絵が変わってきましたね…
第6巻。
表紙がちょっと切ない。
内容は、サザランド到着~大聖女認定 まで。
ほぼ小説の内容に忠実です。シリルの感情がわかりやすくて良い!
フィーアがちょっと買い物に出ると、ファビアン、カーティス、シリルがついてくるってどうなんだろう。
しかもシリルは明らかにデズモンド団長に嫉妬してますよね。恋愛感情ではないでしょうが。
この巻には、おまけSSやおまけマンガはありません。
第7巻。
表紙は小説3巻同様、セラフィーナとカノープスです。
内容は、途中までが小説3巻で、さらわれ(?)たフィーア~(過去編)~カノープス蘇る! まで。
そのあとは小説4巻の内容です。
この巻の山場は、やっぱり300年前のサザランドでしょう。
セラフィーナは王子達に酷使され、予定をぎっちり詰められてがんじがらめにされていた。
彼女はいつも兄達の行為を、フィーアのようにスルーしたり何気なく仕返しをするのではなく、善意に解釈していた模様。
でも彼女は聖女。苦しんでいる人々を見捨てるなんて考えられない。
だからカノープスに気付かせないまま、目的地を変更してサザランドへ向かったのです。…ここはホント、涙😭
おまけSSやおまけマンガはありません。
目次へ
第4巻 突然カノープス!~サザランド出発 まで
今度はフィーアがドレスを! 楽しそうで良い~! それにすごく可愛くないですか?
口絵は海から上がってくるフィーアとシリル団長ですね。「暁の大聖女」の場面でしょうか?
あらすじ
なぜか最初から住民に受け入れられていたカーティス団長の中には、セラフィーナの護衛騎士カノープスが眠っていた。
カノープス=カーティスは、目覚めた途端に護衛騎士モードになり、全力でフィーアを守ろうとする。
なんとかなだめた後病人を診ていると、サザランドの聖女が進み出た。
病人を治せないことに苦しむ彼女はフィーアにとって聖女そのもの。感動するフィーア。
思わず大聖女の力を振るおうとしてカーティスに止められる。
そう、私は大聖女であることを秘匿しなくちゃならないのよ!
ちょちょいのちょい!って治しちゃいけないんだった!!
突然カノープスになって超有能になったカーティス団長に協力してもらい、フィーアはどうにか大聖女であることを隠してもらう約束を取り付けて、薬草で病人を癒やす。
「……そうか。フィーア様はもはや大聖女様ではないのか」「それなのに、不治の病に対する薬を作り、我々を救ってくださるとはなんとありがたい……」
噛み合っていないけど、住民にはなんとか大聖女じゃないことにしてもらえた。
「男性の体の面倒を見るなど、フィー様がなさることではありません。私がやります」「このように汚れなきあなた様を誤解するとしたら、その者の心根が卑しいのです」
突然人が変わったカーティスの行動はシリルの疑いを招くが、まあ大丈夫だろう。
クェンティン団長という前例があるので。
翌日カーティスと話したフィーアは、自分の最期をカノープスは知らないだろうと推測し、あまり苦しまなかったように描写するが、なぜか彼は涙を流し始めた。
収録短編(300年前)
- 近衛騎士団長と離島の民との約定:セラフィーナ視点(途中まで)
頑張れば私でも結婚できるわよね!
収録短編
本編の続きとなるもの以外はこちらでしょうか。
- アルテアガ帝国皇弟グリーン=エメラルド「帝国の大斧、又は氷柱皇弟の出動」:グリーン視点
いいか? フィーアを女神として扱うな!
- 初版特典 フィーアへのアドバイスを死ぬほど後悔する:カーティス視点(覚醒前、覚醒後)
フィー様、おやめください! 私はそのようなことをお教えしておりません!
※店舗特典SSはこちら。今から手に入れられるのは電子書籍ですね。
kindle か BOOK☆WALKER からどうぞ。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/2700030/
感想(ネタバレあり)
サザランド編完結です。
読んでいてちょっとまとまりがない印象を受けたのですが、十夜先生が入れたかったものを全部入れたからかな、とも思いました。
海に飛び込んだり、サヴィス総長が現れたり、シリルを青騎士認定したり、シリルが騎士の誓いを行ったり、聖石をもらったり、カーティスの異動を願ったり、アデラの木を植えたり…
族長もちょっと活躍しすぎですよね?
まあ、これでシリルの大きな悩みがなくなったことは素晴らしいです!
カーティスという新たな従者を得たフィーアですが、彼は護衛騎士であり諫める立場でもあったようですね。
これからは小言を言われることが多くなるでしょう。
そして、またまた謎が増えました。
フィーアが自分の最期を偽って伝えたら、カーティス=カノープスが涙を流した。
これってつまり、彼は真実を知っているっていうことですよね?
それから「黒騎士」の話をしていましたね。
相変わらずフィーアは知らないみたいですが、以前デズモンドが口にしていたので、普通に知られていることなんでしょうね。
興味のないことは一切知識を得ようとしないフィーア視点だと、読者に隠されることが多すぎて困りますね。
それとシリウス。大聖女の死から十数年後の場面。
その頃すでに聖女はどんどん減っていた。うーん、精霊と契約ができなくなったからでしょうか。
セラフィーナは精霊のお気に入りだったようなので、彼女を見殺しにしたことで精霊王が怒って契約を切らせた、とか。
王家はどうやって存続したんでしょう。あの兄達の子孫なんでしょうか。それってイヤだなあ。
コミカライズ版(小説第4巻)
第7巻の途中からが小説第4巻の内容です。
蘇ったカノープスがカッコいい。急に強そうで偉そうになったカーティス。
フィーアに小言を言うのイイね!
そして最後はサザランドから戻ったセラフィーナのお話です。兄王子一発殴らせろ😡
第8巻。
小説第4巻と同じような表紙なんですけど、なんだかフィーアが別人ですね…
でも読んでいるとあまり気にならないんですよね、面白いから!
内容は、黄紋病治療~騎士の誓い まで。
ミューちゃんが可愛い!
この巻では、青辺先生の構成力が光ります。
ハイライトすべき場面を心得ていらっしゃる。
せりふが多くて説明っぽい場面もそう感じさせません。
コミカライズってどうしても説明っぽくなりがちなんだけど、さすがですね!
たぶん登場人物の表情が豊かだからでしょう。
なお、おまけマンガや書き下ろしSSはありません。
第9巻。
表紙は聖石を配るフィーアとデズモンド団長ですね。
内容は、途中までが小説第4巻で、聖石をもらう~お土産配り+アルテアガ帝国のお話。
お土産配りのエピソードは、小説第7巻にある小話がちょうど小説第4巻のお土産配りとつながっているので、それも含めています。
それからアルテアガ帝国のお話は、小説第3巻と第4巻にあるブルーとグリーンの話をまとめています。
いつもながら、ちらばった話をまとめて読者に読ませてくれる青辺先生の構成のうまさに脱帽ですね。
ただ小説の方は、あまり本筋と無関係な話を長くすると全体の流れがもたついてしまうので、小出しにする今のままでいいと思うのですけど。
おまけマンガや書き下ろしSSはありません。
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第5巻 特別休暇でザビリアに会いに~再会 まで
表紙は、霊峰黒嶽へ向かうのんびりムードのフィーアと、緊張した面持ちのグリーンとブルー。実際はこれにカーティスが含まれます。
冒険者風だけど肌を出し過ぎないフィーアがかわいい!(もちろん、肌を出し過ぎたらただちにカーティスにお小言を食らって着替えさせられるでしょうが)
口絵は、姉オリアと同じベッドで寝るフィーアです。
あらすじ
サザランドでは従者のようにぴたりとフィーアについていたカーティスだったが、王都に戻ってからはちゃんと騎士としての任務を果たしているように見えてホッとするフィーア。
しかし油断は禁物。どうやら彼は「フィーア担当団長」と呼ばれることもあるらしいし。
それにファビアンに指摘されたのだ。「3名の騎士団長がフィーアに敬語を使っている」と。
それに何人もの騎士団長が、専用食堂を使わずになぜかフィーアと一緒に食事をしたがるし。
それはともかく、新人騎士としての訓練修了。これから3週間の特別休暇だ。
フィーアはザビリアに会いに行くことに決めていた。
そのことを隠して「姉を訪ねる」とシリル団長に話したのに、なぜかシリルとカーティスが霊峰黒嶽に行くことを前提に話を進めている。
結局特別休暇はカーティスを一緒に連れて行くことになり、姉の所属する騎士団との合流後は、カーティスの下で業務扱いという破格の待遇となった。
休暇のための買い物中にグリーンとブルーに出くわして、一緒に霊峰黒嶽へ行くことになり、フィーアは大喜び。
その後は特に何事もなく第十一騎士団駐屯地到着。
オリアに会って喜んだのも束の間、ガイ団長のせいで魔人を思い出した彼女は、その夜姉と同じベッドで休みながら300年前の夢を見る…
収録短編(300年前)
- 赤盾近衛騎士団長:セラフィーナ視点
シリウスはいつだって、私を優先してくれた。
- 黒皇帝:アルテアガ帝国皇帝カストル視点
オレは贖罪のために生きている。
- 大聖女、騎士に扮して騎士団長会議に参加する:セラフィーナ視点
銀髪の騎士に変装すれば、誰にも私だとはわからないわよね!
収録短編
本編の続きとなるもの以外はこちらでしょうか。
- 第四魔物騎士団長クェンティン「ザビリアの角が賄賂罪に当たるか審議される」:クェンティン視点
フィーア様はみんなのものだ! カーティスだけが同行するのはズルいじゃないか!
- アルテアガ帝国皇弟レッド=ルビー「女神の足跡発見、だと⁉」:レッド視点
「精霊の森」には、不可思議な力が働いている。
- 初版特典 フィーア&ファビアン、騎士団長たちと食事をする:フィーア視点
隣の席が空いていなければ騎士団長は座れないんじゃない?
※ここまでは共通。各書店では別々の短編が付いていますが、この巻から電子書籍共通特典がつくようになりました。
- 電子書店共通(BOOK☆WALKERを除く)特典 国王と訓練騎士との面談に近寄らないことを決心する:サヴィス視点
国王との面談の同席を今年も回避するぞ。でもまあ、最後の1回くらいはいいだろう。
各店の特典SSはこちら ⇓ 。短編集は無理というのがとても残念。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/2782245/
感想(ネタバレあり)
だんだん300年前の話が増えてきました。このあたりか次巻くらいから、過去編ZEROを書く話が出てきたのかな~と勝手に思っています。
でもZEROが出るようになってから、こちらの本編の更新が滞るようになってしまったんですよね…
無理はしないでいただきたいのですが、フィーア視点が多いと全く謎が解明に至らない、というか本編が先に進まないのがファンとしては歯痒いです。
過去編ZEROの方は、4巻まで出ても作品内の時間は一向に進んでいないので、セラフィーナの最期まで書くとしたらいったいいつになるのか、そちらの方も心配です。たぶん本編と合わせるよね…
さて、団長達の人気者フィーア。いつもにぎやかに食事をしているようですね。
個人的には、シャーロットと時々一緒なのがとてもいいなあと思っています。
彼女がいるから聖女の印象が悪くなり過ぎないし、シャーロットはきっとフィーアから色々教えてもらえるから、優秀な聖女になるのでは。
シリルにもカーティスにも霊峰黒嶽へ行くことはバレバレ。
でも姉さんに会いたいのもホント。姉とのシーンは和みますね~
そして「魔人」。この言葉だけでもフィーアは恐怖を覚えるようです。
でもそれでは大事な人たちを守れない。
フィーアはセラフィーナモード(真面目で健気)になって勇気を出し、魔人について振り返ります。
- 魔王は殺したのではなく、箱の中に封じた。
- 魔王を封じた箱は、通常であれば大聖堂の奥深くに収められ、解放されることはない。
- でも魔王の右腕は兄達からその箱を取り戻したはず。そしてこの300年の間に、魔王を解放しているだろう。
- 魔王の右腕は、まだこの世界のどこかに存在している。
そして、従兄であるシリウスを思い出すのです。
どうやらシリウスはセラフィーナを溺愛し、ずっと保護してくれていた存在のようです。
兄達の悪意からも守ってくれていた。
そしてシリウスはとてつもなく強い騎士だった。
彼がセラフィーナを嫁にすると決めていたことは間違いありませんが、セラフィーナにとってもシリウスはとても大切な人だったようですね。
いまだに思い出すことをためらってしまうほど。
彼がいない世界は、セラフィーナにとってはとても空虚なものなのでしょう。
さて、霊峰黒嶽に着いてみると、ザビリアが道案内を出してくれていました。ザビリア優しい~
最後の一頭が攻撃してきたけど、フィーアは難なく防ぎます。聖女ですから!?
ザビリアとの再会にフィーアは大喜び!しかしそこでまた判明!
- 300年前、霊峰黒嶽は他国の領土で、ナーヴ王国でもアルテアガ帝国でもなかった。
- セラフィーナの死後、黒皇帝がアルテアガ帝国に即位してから、大陸の半分がアルテアガ帝国の領土になった。
- 黒皇帝はガザード地域をナーヴ王国に割譲した。
- 黒皇帝はナーヴ王国とアルテアガ帝国の間にディタール聖国を建国した。
- 黒皇帝はナーヴ王国の生まれだった。
- 黒皇帝は黒髪黒瞳で、黒の装いをしていた。
うーん、私もシリウスかと思いましたけど、また謎が増えちゃいましたね。
どう考えても黒騎士=黒皇帝=シリウスだと思ったのですが、シリウスは銀髪ですよね。
シリウスなのだとしたら、何か事件があって黒髪黒瞳になったんでしょうね。あるいは魔法?
さてザビリアの背に乗って飛ぶと、ザビリアは100頭もの竜を従えた王になっていました。
そしてまた新事実! 契約する魔物を1頭に限る必要はない。
とすると今後、複数の従魔を持つ人間と出会うこともあるのかな? それともクェンティン団長が複数の従魔と契約するのかな?
さらに、創世の女神について。黒皇帝の時代に、創世の女神=癒しの力で人々を救う女神 に解釈が変わったと。
これって大聖女のことでしょうから、やっぱり黒皇帝=シリウスっぽいですよねえ…
- 黒皇帝は生涯独身だった
- 黒皇帝の名前は「カストル」だった
黒皇帝が最初から「カストル」という名前だったと思い込んだフィーア。
それをいいことにフィーアをミスリードするカーティス。なんでかなあ。教えたくないんだね。
読者にはわかる! 黒皇帝の本当の名は「カストル」ではないと。
つまり、シリウス=カストル? シリウスがセラフィーナの考えた名前を使いたかっただけなんじゃないの?
(たぶんセラフィーナの姉のところに生まれた赤子は女の子だったんじゃない?…と思いますよね)
短編を読んでみましょう。
300年前、シリウス(推定)はセラフィーナの死と共に名を捨てた。
彼はセラフィーナの命を奪った魔人の探索のために、アルテアガ帝国の皇帝となったと。
そのために近隣諸国を併合し、土地を切り開いた。
……でも結局後でディタール聖国を作ったり、北方の土地をナーヴ王国に割譲したりしているんだよねえ。
魔人が封じられた箱を権力者が利用したりしないように独立した聖地を作った?
うーむ。
さらにザビリアとカーティスの話でますますわけがわからなくなった…
コミカライズ版(小説第5巻)
第9巻。
内容は、途中までが小説第4巻で、第40話から第5巻のエピソードになっています。
特別休暇~グリーン達とばったり! まで。
おまけマンガはありません。
第10巻。
2024/4時点でこちらが最新刊になります。
表紙のフィーアの服装が小説5巻に沿っていますね。でもこちらは小説の表紙でカットされてしまったカーティスがいます。
青辺先生、芸が細かい。
内容は、グリーン達と再会!~ ゾイド登場 まで。
おまけマンガや書き下ろしSSはありません。
相変わらず忠実に原作をコミカライズしてくださる青辺先生に感謝です。
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第6巻 魔人が怖い~緋色グリフォンとの出会い まで
表紙は戦うフィーアとカーティスと…ですね。カッコいい。
300年前は常に黒の戦闘服を着ていたようですが、今回は白を纏う大聖女。
白と青で300年前のナーヴ王国の国旗ですね…偶然でしょうか。
口絵は人気投票のツートップです。ああ、シリウス…
あらすじ
300年前の姉の子供が黒皇帝になって帝国を治めたと都合よく誤解したストーリーを信じているフィーア。
何を思ってか、カーティスは真実を伝えようとはしない。
フィーアは知らずに翌朝もザビリアと楽しく話していたが、「魔人」という一言で恐怖がよみがえる。
フィーア=セラフィーナは、今でも魔人が怖くてしょうがない。
でも怖がっているだけでは駄目だ。とりあえず情報を集めよう。
現在の通説では魔人は全員倒されたことになっているが、記憶が蘇ってからフィーアはそれが事実ではないと悟っていた。
そこでグリーンにより出された「はじまりの書」の情報。
- 魔人の中でも特に強力な者は「紋付きの魔人」と呼ばれている。
- 紋が多いほど強い。
- 全員の紋の数を合計すると、33紋となる。
- 大聖女の死後封じられた魔人は「二紋の月乙女」と「五紋の渦裂き」の2人だけ
- 大聖女は生前、「十三紋の魔王」を含めて20紋までの魔人を封じたため、これまでに封じられた魔人の紋は合計27紋。
- そのため、残りは6紋のはずである。
- 6紋のうちの1紋は、「1紋の右腕」である。
- 魔人たちは、魔王が封じられた後、なぜかそれぞれの城を捨てて姿を消した。
- 魔人を封じた箱は大聖堂に収められており、厳重に保管されている。
一方、それに対するフィーアの反応はおおむね相変わらずだが、1点だけいつもと違った。
フィーアは記憶を書き換えて、自分をいたぶって殺した「魔王の右腕」は1紋だったと信じようとする。
ザビリアはフィーアの行為を否定せず、後でカーティスに問いただすのだが…
さて、ザビリアが山を下りることに決めた時、なんと他の3人が、300年間姿を見せなかった魔人に遭遇!
それは「二紋の鳥真似」と呼ばれる強い魔人だった。
さらに魔人に関するアレコレが明らかになる。
- 300年前の魔人は、表情のない整った容貌に独特の模様が入った黒い服を着ていた。
- 今の魔人は表情を変化させることを覚え、服装も人間のようになっている。
- 300年前の魔人は人間の言葉を話さなかったし、無意味なおしゃべりはしなかった。
- 今の魔人は人間の言葉を話し、おしゃべりもする。
- 紋付きの魔人は紋と同じ数の複数の心臓を持っている。
- 心臓は変形する部位の近くに存在する。
- 魔人はすべて闇属性。光属性には極端に弱いが、それ以外には強さを発揮する。
- 闇属性は最上位の属性で、何者も干渉できないと思われているが、大聖女には干渉が可能だった。
- しかし闇属性の弱体化魔法は、大量の魔力を必要とする。
- 「封じの箱」は、かつて封じられた魔人の一部で作られている。
- フタが閉じない「封じの箱」を閉じるためには聖女の血が有効である。
- なぜなら聖女の血は、精霊だけではなく魔物も惹きつけ、実は魔人も聖女の血を好むから。
ついに魔人に遭遇してしまったフィーア達。これは偶然なのだろうか?
収録短編(300年前)
- セラフィーナの誘惑とシリウスの抵抗:セラフィーナ視点
セラフィーナの純粋な好意に心臓をやられるシリウス(第2位シリウスの話)
- 初版特典 シリウス、イルカとクラゲの類似性についてセラフィーナに確認する:フィーア視点
セラフィーナ様、あなたは口を開いてはいけないのです
収録短編
本編の続きとなるもの以外は、人気投票の結果によるものです。
- 騎士の誓い:第1位シリル視点
危険なことをしないという約束は、フィーアの場合全く信用できません。
- フィーア、一日騎士団長となる:第3位フィーア視点
騎士団長として騎士達に活を入れるわ!
- フィーア、サヴィス総長に「大聖女の薔薇」を献上する:第4位サヴィスの話、フィーア視点
聖女に贈る花? 私の薔薇でいいのじゃないかしら。
※サラッと紛れていますが、この短編は次巻につながる重要なお話です!
- フィーアからの土産に狂喜乱舞する:第5位クェンティン視点
なんてこった! オレに格上の従魔がああ!
- フィーアとシャーロット、隣国の王族と薬草採取に出掛ける:第6位シャーロットの話、フィーア視点
多くの聖女達が研究した成果が失われてしまったなんて!
- 電子書店共通特典(BOOK☆WALKERを除く) フィーア、オリアと理想の男性像を語る:フィーア視点
姉さんの理想のタイプはずいぶん具体的なんだけど…
※大聖女の薔薇、グリフォン、薬草の話は次巻以降にも出てくるので要チェック。
WebにはないのでWebだけ追っているとわからなくなるかもです。
各店の特典SS一覧はこちら。電子書籍特典なら今からでも手に入ります!
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/2904492/
感想(ネタバレあり)
ついに魔人が登場しました。いろいろ重要な情報も開示されます。
どうやら魔人を封じるには特別なアイテムが必要なようですね。
それから、「大聖女の血」が結構キーワードみたい。
300年前は精霊が目隠ししてくれていたけれど、魔物も魔人も聖女の血が大好き。
だからフィーアは何もしなくても魔物にモテモテ。
…ということは最初のころ「精霊の残滓で居場所が見つかる」から精霊を呼んじゃダメと言われていたけど、ケガをしてもダメなんじゃ?
それから、魔王の右腕がセラフィーナをさいなんだのは、血が欲しかったから、とか?
そして魔人たちは、「上意下達」(これ「じょういかたつ」って読むんですね。ずっと間違ってました)で、人間の真似をするようになった。
もしかすると人間に紛れているのかもしれない、と思い恐怖するフィーア。
それでもなんとか気を取り直し、魔人封じに力を振るうことができました。
聖女モードのフィーアは本当にカッコイイですよね。ハァ…
そういえば、精霊の行方。カーティス=カノープスは知ってるけど教えてくれない。早く教えてよ~
まあ精霊については「ZERO」の方で詳しくわかります。どうなったのかはわからないけど。
フィーアは相変わらず何でも明後日の方向に解釈するのでじれったいですね!
相手の感情なら普通に理解できるのに、物事を自分視点でしか解釈しないので話が一向に進まない。
グリーンたち、いつまで魚屋なんでしょうか…
この巻から、地図が少し変わりました。わかるかな?
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第7巻 王都への帰還~オルコット公爵家訪問 まで
表紙はなぜかサヴィス総長とシリル団長を従えたフィーア。いいんですか?このフォーメーション。
口絵は道化師たちです。
さあ、フィーア無双の始まりです!
※この巻より少し前に、「転生した大聖女は、聖女であることをひた隠すZERO」の1巻が発売されています。
あらすじ
国王との面談に臨むフィーア。
実は彼女の面談にサヴィス総長を同行させるため、休暇の延長が許可されていたのだった。
この面談はある意味試験でもあるらしいので、フィーアは少し身構える(緊張感はゼロ)。
面談の場には、側近や騎士のほかに3人の道化師もいた。
道化師たちは自由にフィーアや騎士団を批判しているが、フィーアにはその意図を見抜いていた(あくまでフィーア視点)。
フィーアは大人として一番年下らしいセルリアンを窘めようと考える。
生意気な少年をぎゃふんと言わせたところで、フィーアは彼の左腕に呪いがかけられていることに気づく。
その呪いは、大聖女の力でも解けない呪いだった。
そして国王の命令のもと、カードゲームが始まった。
途中までは単純にゲームをしていたフィーアだが、「国王崇拝」というゲームにチェンジしたところで違和感がはっきりする。
まだテストは続行中なのだ!
…ということで、大聖女モード発動!
フィーアは素晴らしい洞察力を発揮し、セルリアンを最下位にして鮮やかなフィニッシュを決めた。
その上呪いのことまで見抜いて、セルリアンが国王であることを暴露する。
どう反応したらいいかわからない同席者。
フィーアは自分の洞察力が異常であることに気づかないためアタフタする。
というところで騎士団長会議。
これまでフィーアがやらかした謎多きできごとを報告するシリル。
余計なことばかり言って進行を邪魔するデズモンド。
彼が有能な調査員とはとても思えない…
議題のポイントは「大聖女の薔薇を発見!」「フィーアが国王を見抜いた」「筆頭聖女選定」の話。
どうやら次男であるサヴィス総長が次期国王になり、筆頭聖女を妻に迎える。
そしてシリルは次席聖女を妻に迎え、騎士団総長になるらしい。
そのための準備が始まる…
収録短編(300年前)
- 私の近衛騎士団長:セラフィーナ視点
セラフィーナを独占する気満々のシリウス…
- セラフィーナから詩歌の題材にされる:シリウス視点
オレはこの詩?を褒めなくてはならないのか?
- セラフィーナの甘味断ち:セラフィーナ視点
どこまでも鈍感なセラフィーナ。
- 電子書籍特典 セラフィーナ作成の詩歌、伝説となる:セラフィーナ視点
姉シャウラの主催したサロンで披露したセラフィーナの詩歌を聞いて失神者が続出した!
収録短編
本編の続きとなるもの以外だとこちらでしょうか。
- 第2回騎士団長会議(挿話)
サザランドの報告がここで挿入されています。聖石をもらえずに拗ねたシリルの話。
- 初版特典SS 騎士たちは見た! フィーアの国王面談:モブ騎士達視点
フィーアはすげぇわ!
各店の特典SSはこちら ⇓ 。
この巻の騎士団長会議でデズモンドに揶揄された、シリルとひよこの話はここにあるみたいですね。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/3023817/
感想(ネタバレあり)
この巻の山場は最初に出てくる国王との面談。
フィーアは300年前の知識が絡むと、突然「大聖女モード」になって無双をやらかしてくれるんですよね。
普段が抜けすぎなので、時々これが見られると嬉しいですね。
まあやり過ぎてまったくひた隠せてないんですけれども…
あとは情報として、騎士団長会議でしょう。
「大聖女の薔薇」を作り出したことは、王族にとっても騎士団長たちにとっても衝撃だった。
とてもひた隠す気があるとは思えませんが、フィーアはこれが大聖女特有の能力だと思っていないということでしょうか。
ここで真相に1㎜も近づけない団長たちもどうかと思いますけど。
それから筆頭聖女選定。
恐ろしく傲慢な筆頭聖女と次席聖女と結婚しなくてはならないサヴィスとシリルが気の毒すぎますね。
フィーアの活躍でどうにかなるのではないかとかすかな希望を持っていますが…十夜先生、どうかよろしくお願いします!
この巻はほとんどがサイドストーリーで、本編は少ししか進みませんでした。
うーん、ZEROと同時に書くのは大変なんじゃないかな。
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第8巻 公爵邸の聖女たち~ロイドとセルリアンの願い まで
表紙はなんちゃって聖女(実は本物)パフォーマンスをするフィーア。
口絵は公爵邸訪問の様子。ストロベリーパイがおいしそう。
この巻でもフィーア無双が見られますよ!
※なおこの巻と、300年前のセラフィーナ幼少時代を描いた「転生した大聖女は、聖女であることをひた隠すZERO」の2巻が同時発売になっています。
あらすじ
オルコット公爵邸で、ディタール聖国にある大聖堂出身のプリシラ聖女と会うフィーア。
フィーアは聖女についてプリシラと話がしたいのだが、まったくチャンスがない。
「筆頭聖女の髪型」について不思議に思っていると、デズモンドが割れたカップでケガをしてしまう。
フィーアの聖女的観点からすると、聖女たるもの傷を治さずにはいられないはず。
なのでプリシラ聖女が治せばよいと思ったのだが、どうやらそういうものではないらしい。
聖女様の奇跡の御力は使用を限定すべきで、養父の客だからといってみだりに使ってはならないのだそうだ。ややこしい。
ところがそんな風にプリシラが力を出し惜しみしていると、シャーロットがあっさりデズモンドを治癒してしまった。
フィーアは、常識のある貴族ファビアンの解説により、自分が第一騎士団に選ばれた理由を知る。
なんと筆頭聖女はサヴィス総長と結婚することになり、自分たちは彼女の護衛をすることになるらしい。
以前シリル団長が言っていたけれど、聖女は17歳にならないと結婚できない、と300年前に定められたのだという。
そのため有力候補であるプリシラ聖女の成長を待っていたのではないかと。
なんておめでたいことなのかしら!
フィーアは道化師への弟子入りを決めた。
セルリアンに会いに行ったフィーアは、彼の発言が無責任に思えて苦言を呈する。
兄として行動していないことに気づいたらしいセルリアン。
どうやらサヴィス総長も、セルリアンが呪いで若返るようになるまではもっと感情を露わにする少年だったようだ。
反省するセルリアン。
なんだかんだで道化師パフォーマンスの練習に、彼等は街に繰り出してプチ武者修行をすることになった。
道々セルリアンは、ナーヴ王国の国王派と王弟派について話してくれる。
対立要因は聖女だとのこと。
さて、彼らは(フィーアのペースで)なんちゃって聖女のパフォーマンスを繰り広げたところ、成功しすぎてしまった。
その余波で、ペイズ伯爵に娘の治療を頼まれる。
どうやらセルリアンたちと伯爵には10年前の確執があるらしいのだが、聖女であるフィーアが病人を治さないことは有り得ない。
不満そうなセルリアンとドリー、カーティスを連れて、フィーアは伯爵の館へ向かうのだが…
収録短編(300年前)
前巻は300年前の短編が多かったのですが、ZEROが出たためか今回は1篇のみ。
- セラフィーナと騎士団長食事会:セラフィーナ視点
シリウスに優しくされると、お腹がいっぱいになったような気がするわ。
収録短編
本編の続きとなるもの以外だとこちらでしょうか。
- ザビリア、「粛清リスト」を更新する:フィーア視点
粛清リスト第2弾。何もするなと言われていたので新顔が!
- 休暇の正しい使い方:カーティス視点
私が満足するのは、フィー様のために時間を使っている時だけなのだ。
- クェンティン・アガター(29歳、独身)、母になる:クェンティン視点
ギザーラが卵を2個産んだ。1個はいらないというのでオレが育てることにする!
- 初版特典SS コレット(9歳)、王城の牢に入る:ローレンス(12歳)視点
君が聖女であってくれれば、僕は君を妃にできる。
- 電子書籍特典 クラリッサ&デズモンド、クェンティンから母になると宣言される
クェンティンは、もしグリフォンの卵を食べたらクラリッサと絶交すると宣言する。
各店の特典SSはこちら ⇓ 。
この巻のエピソードの他者視点が多いので、今となっては手に入らないものが多いのは残念。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/3109334/
感想(ネタバレあり)
現在の聖女に興味津々のフィーアは、プリシラ聖女に会いますが結局ろくに話ができず。
今は典型的な聖女で超高いプライドを持っていますが、もしかするとフィーアと係わればなんとかなるかも?
プリシラが出し惜しみしている間にシャーロットがデズモンドの治癒を!
やったねシャーロット、ちゃんとデビューできたよ! フィーアの弟子第1号(第2号ができるかは不明)!
ロイドの妹は赤髪ではない聖女だったらしい。
そしておそらく彼女が瀕死の状態になったとき、そばにいた聖女は彼女を助けようとしなかった。
そのことでロイドは聖女を憎むようになったのかな?
とりあえず、ロイドもローレンスも聖女を激しく憎んでいるようです。
フィーアが大聖女のような髪と瞳を持ちながら聖女でないということに、仄暗い喜びを覚えているようです。病んでるね。
一方サヴィスとシリルの方は、聖女と結婚しなければならないので、できるだけ憎しみや悪意を抱かないようにしている。
シリルは、なんとか聖女の中に良い点を見つけて尊重することができるように努力しているらしい。
本当に残酷な慣習。いったいなんでこんなことになっちゃったんでしょうね。
サヴィス総長の方はたぶんもう諦観しているんでしょうね。兄があんなになっちゃったから。
本来は、弟だからサヴィスは次席聖女を娶ることになっていたのでしょうか。
それもたいして変わらない運命ですね…
10年前の悲劇のきっかけはサザランド。
うーん、情報が小出し小出しにされるのでなかなかフラストレーションが溜まりますね。
それにフィーアが「フィーアモード」の時は理解力や洞察力がとてつもなく低いので、一つずつ説明しなければならない。
何でも説明しないと「理解できない」というより「初耳だわ!」あるいは「そういえば聞いたわね」となる描写はただただ文字数が増えるだけ。
説明するキャラも、それを読んでいる読者も疲れます。
そしてフィーアはサヴィス総長の結婚を祝うため道化師に弟子入りするようですよ!
動機はどうあれ、ここでセルリアンを諭したのはすごくいいと思う。
セルリアン(真ローレンス)って、結構身勝手なんだよねえ。
まあ、思い込みの世界で生きてきて、初めて試練に遭ってそれがものすごく困難だった。
そのため(王としての)権利や権力は保持しつつ、義務はすべて投げ出した。
フィーアに言われてそれがどれほど無責任な行為だったのかわかったのだといいんだけど。
コレットちゃんなんですけど、セラフィーナに似て非なる天然ちゃんですよね。
ごめんねセルリアン、彼女の魅力が私にはわかりかねます…
今の所、けなげで純粋だけどただの困ったちゃんに思える。
次巻以降でもう少し良い所が描かれることを期待しましょう。
市井の人々を薬草で治療する自称なんちゃって聖女。
でも実際には本物だし見た目にも本物の聖女。
おまけに伯爵の娘聖女をあっさり治癒したから、もう客観的には聖女そのまんまなんだけど。いいのか?
待て次巻。
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第9巻 大聖女の薔薇~セルリアンの無茶振り まで
明るい色だ…シャーロットが出てくるとなんだかホッとしますね。フィーアの服もかわいい。
初めて女の子だけの表紙になりましたね!一瞬別の物語かと思いました。
口絵はサヴィス総長の部屋に晩餐に招かれたフィーア。まるで王女の時のようなドレスですが、違います。
フィーアの周りってデカい男性陣ばかりですからね。あるいは魔物とか。基本的に殺風景ですよね。
chibiさんはフィーアにきれいな色で女の子らしい服装をさせてみたかったのかも?
それに制服じゃないサヴィス総長、超イケメンで王子様っぽくないですか~?
うーん、やっぱり違う物語なのかも?
※なおこの巻と、コミックス9巻 が同時発売になっています。
これは両方が我が家に届いた時の写真。メロンブックスさんの特典が欲しくて通販で買いました。
右上の書店向け特典SS+セット購入特典のイラスト! シリウス~💕
(あ、裏はシリルなんですが、このイラストに関しては断然シリウスが素敵です!!)
あらすじ
フィーアに「ディタール聖国への肉ツアー」が延期になったと知らせに来たデズモンド団長。
そこへなぜか公爵であるロイドがフィーアを迎えに来た。
その時に思い出した前夜の話し合い。
- コレットはもうかなり限界に近い状態である。
- セルリアンは、左腕に過去の王族が受けた「300年前の精霊王の呪い」を引き継いでている。
- さらに、コレットを死なせないでと強く願ったため「初代精霊王の祝福」を受けた。
- しかし代償としてセルリアンの命が「喰われて」いる。
セルリアンもコレットもとても気の毒な状態。
でも、この呪いと祝福が精霊王の血筋のせいなのであれば、サヴィス総長も受け継いでいるのか?
サヴィス総長も強く思えば祝福が発動するのか?
フィーアはサヴィスのことを思いやる。
さて、薔薇に魔力を注いでいると、フィーアはなぜかサヴィス総長に夕食の招待を受ける。
どうやら彼はセルリアンの強引な要求を詫びたかったらしい。
そして食事中に出てきたサヴィス総長の本音。
実は彼は今の聖女に1㎜もいい所があると思っておらず、義務だから結婚するのだという。
しかし、それは聖女たるフィーアには納得できない決めつけだった。
酔っていたこともあり、彼女は自分の信念を熱く語る。
「総長は聖女を否定していますけど、何度も何度も聖女の話をしています。だから、気付いてないだけで、総長にとって聖女はとても大切な存在なんですよ。
もしも総長が全てに絶望して、それでも、聖女が総長の拠り所になれるとしたら、私に言ってください。その時は、あるべき姿の聖女をお見せしますから」
もちろん翌日、フィーアはサヴィス総長に話した内容をきれいに忘れていた。
デズモンド団長がまた食堂に現れて根掘り葉掘り聞いてきたけれど、記憶がないので話すことはない。
(何か言ってもいちいち茶々を入れるので彼が正確な情報を得られるとは思えないし)
そこへロイドがプリシラ聖女とともに現れる。王城の聖女を訪問するらしい。
喜び勇んで同行に同意するフィーア。
ロイドの話によると、聖女には厳しい序列があるらしい。
しかも王城+離宮 vs 大聖堂の対立もあるようなのだ。
- 多くの聖女は10歳で聖女認定される
- 3歳で認定されるのは魔力が強い聖女だけ
- 国内でも指折りの魔力が強い聖女は、大聖堂に集められるが、全員でも50人にも満たない
- 一方イアサント王太后は、自分の後継者を自分の離宮で育成しているので、離宮の聖女は能力が高い可能性がある
ついに王太后が王都に到着。フィーアはファビアンとともに彼女を見に行く。
王太后は真っ赤な髪と金の瞳を持つ女性で、国民に人気が高いようだ。
聖女ということでフィーアも親しみを感じる。
ファビアンも感心しているようだったが、髪の色に関しては否定的だった。
彼の目から見ると、フィーアの髪の色こそが大聖女の赤で、王太后のそれは色あせて見えるのだ、と。
そしてなぜかフィーアは王太后とのお茶会にサヴィス総長のお守りとしてよばれるのだった…
収録短編(300年前)
この巻はまた人気投票の結果に合わせてSSが入っています。
- セラフィーナ、お忍び中にシリウスにナンパされる:第1位シリウスの話、セラフィーナ視点
自覚なき男殺しセラフィーナ。シリウスの鉄の自制心はいつまで保つか。
収録短編
人気投票の結果によるSS。本編の後日談のようなものもあります。
- フィーアの本命として彼女の世話係を引き受ける:第2位サヴィス視点
総長、両目で見る世界は美しいですよ。※大聖女モードON! この短編ぜひ読むべし!
- フィーア、シリルと休日デートをする:第3位シリルのSS、フィーア視点
休日にシリル団長に買い物につき合わされたフィーア。
- フィーア、ザビリアと城内を堂々と散策する:第4位フィーア視点
ザビリア、みんなあなたが黒竜だって気づいていないみたいよ!
- 聖女としての一歩:第5位シャーロット視点
シャーロットが一人で聴力回復薬に挑戦。
- 新米母はか弱い雛にたぶらかされる⁉:第6位クェンティン視点
団長、あなたはその雛に騙されています!
- 初版特典SS ファビアン、フィーアが聖女かどうかを確認する:フィーア視点
ファ、ファビアン、私は未婚の慎み深い女子なのよ。
- 電子書籍特典 フィーアと晩餐会 サヴィス視点
「正しい聖女」は存在するのか?
各店の特典SSはこちら ⇓ 。
この巻のエピソードの他者視点が多いので、無理と知りつつやっぱり短編集にして欲しい!
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1294733/blogkey/3205795/
感想(ネタバレあり)
十夜先生によると、前巻の第8巻から「ナーヴ王家編」に入ったそうです。
徐々に王家の確執と十年前の事情が明らかになってきました。
フィーアが力を振るえばすぐ解決できそうなのですが、カーティスが言うように、本来は自分達で責任を持って受け止めるべき運命。
それでも、聖女なのでフィーアは苦しむ人々を見捨てられないのです。
カーティスに関わらないでほしいと懇願されても、やはりセルリアンとロイドの頼みを聞いてしまう。
サヴィス団長の苦しみを思いやり、同意さえもらえたら欠損を復活させてあげたいと思う。
大聖女モードのフィーアは、有能で優しいんです。
精霊王の呪いと祝福について、ちょっと整理してはみましたが本編ではよくわからない部分があります。
ZEROの最新刊にそれらしい説明があるので、今後ZEROの方が進んでくればもう少しわかるのかな?
あるいはフィーアがコレットを診たらわかるかもですけど、今のWeb連載を読んでいるとそれはしばらくなさそうですね。
それから聖女界(?)の話。
派閥があるとか、いろいろわかってきましたね。
イアサントが見出した元大聖堂で下働きをしていたローズって、8巻の「公爵邸訪問」でプリシラがけなしてた女の子じゃないでしょうか。
なお、イアサントをなぜ各団長が敬遠しているかについては、次巻でわかると思います。
王太后とのお茶会はまだ序盤なので。
この巻のメインエピソード。それはやっぱりサヴィス総長との晩餐でしょう。
なんとサヴィスがフィーアを二人きりの晩餐会に招待しちゃいました!
たぶん彼もフィーアになんとなく救いを求めているんじゃないかな?
フィーアの前だと気が緩むのか、サヴィスは聖女への嫌悪を正直に言葉にしてしまいましたし!
でもフィーアは聖女そのものが悪だとは思っていないのでそれには同意できない。
聖女をそのような存在にしてしまった人々が間違っている、と思っていてそれはブレない。
それにシャーロットは本当にいい子だし。
だから言っちゃいました!「あるべき姿の聖女を見せる」と。
あ る べ き 姿 の 聖 女!!!
わー!! 早く見たいですねえ!!!
でもそうなったらフィーアは完全に聖女モードだろうし、サヴィスとシリルはフィーアに聖女の理想の姿を見てドボンと恋に落ち…ないですよね。
この晩餐会の場面、すごく意味深じゃないですか?
フィーアはサヴィスにちょっとシリウスを見ているし。
それでもやっぱりシリウスとセラフィーナのような甘々な関係はまっったく想像できないんですけど…
このラノベはラブコメではないはずなんです。
でもシリウスとセラフィーナのSSは、恋人同士の会話みたい。
それにサヴィス視点のSS(フィーアの本命の話)では、「もしもフィーアと生涯をともにしたら」なんて考えてる。
『フィーア・ルードを制御する』
それは黒竜を従えるよりも困難なことに思われた。
(…すみません総長、私にもまったく想像がつきません)
そして、シリルはフィーアに貢いでるし! ハッ😮!まさかサヴィスに対抗して⁈
うーん、もしかするともしかするんでしょうか⁈ いやそれはないよね? ね?
目次へ
300年前のお話 転生した大聖女は、聖女であることをひた隠すZERO
重くなりすぎるので、こちらは別記事にする予定です。
なのでちょこっとだけ紹介。
ZEROは全編書き下ろしです。Webには一切ありません。
こちらを読むと、主に精霊関係のあれやこれやがわかります。
それとセラフィーナが特殊であることや、なぜ兄達があんなにも〇〇なのか、とか。
さらにシリウスの生い立ちも。なのでこちらも必読です!
第1巻。シリウスが国王に頼まれてセラフィーナを迎えにレントの森へ向かうところから。
セラフィーナは生まれつき目が閉じられていたが、精霊と話ができたので困らなかった。
聖女として騎士達を助けたいと願い、心から精霊王に祈ったところ、まぶたが開いた。
※この巻で、シリウスの生い立ちと、アルテアガ帝国の森の不思議がたぶん解明されます。
※ちょっと気になる魔物が出てくるのですが、それが本編につながるのかはまだ不明。
第2巻。第二王女セラフィーナの近衛騎士団、赤盾近衛騎士団が創設された。
だが配属された騎士達は、当初セラフィーナの護衛仕事を楽なものだと考えていた。
しかし休暇として行った西海岸で、彼らは強敵に出会うと同時に、小さき王女の規格外の力を目にするのだ!
※この巻では、なんとあの方と出会っちゃいますよ。必読!
第3巻。あの方の宮殿再訪問!
今回はシリウスもともに訪問することで、少年の正体は確定となる。
セラフィーナという存在が、人間から見て計り知れない価値を持ってしまった瞬間だった。
なのに胸糞兄たちは帰ってきた妹をののしり放題。
騎士達は彼らの悪意から王女を守ろうとするが、肝心のセラフィーナが兄達に悪意を抱いていないため、罵り言葉をそのまま受け止めてしまうのが厄介。
※この巻の山場はほぼ宮殿の再訪問。それと少年時代+若き日のシリウスの挿絵!かわいいよシリウス!
※この巻で、精霊のことがいろいろわかります。本編には出てこないので必読ですよ!(ほかに語彙ないのか)
第4巻。兄達の試練
次期国王にふさわしいとは言えない3人の王子達の性根を叩き直すために、危機的状況が作り出される。
そこに居合わせたセラフィーナは兄達の危機を見逃せず応援に入る。
それで兄達に少し近づいた気がしたセラフィーナ。
ガレ金葉の栽培が成功したのでお茶会を催すのだが…
※この巻は色々な新情報が出てきますが、衝撃の真相?は次巻に持ち越しですね
※セラフィーナの反抗期を想像してショックを受けるシリウスがかわいい!
十夜先生のほかの人気作品
「悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?」こちらの作品もおススメです!
「このライトノベルがすごい!2024」の大聖女と同じ部門で第3位になっていた、超人気作品!
つまり、十夜先生は同じ部門で2位と3位を獲得してしまった、ということなんですよね。
こちらもストーリーに謎が多い。それ以上に美麗すぎる男性陣が気になるんですけど…
一度チェックしてみてくださいね。小説もコミックもとにかく絵が美しいので眼福ですよ。 どのキャラを推しにするか迷いますね!